平成21年6月定例会一般質問(平成21年6月)
○県立大学校の公立大学の法人化、法人への移行について
○消防の広域化について
○次期廃棄物処分場について
○ETC特別割引を活用した誘客対策について

県立大学校の公立大学の法人化、法人への移行について

山下政樹

 県立大学は、地域のニーズや時代の要請にこたえるため、四年前の平成十七年四月に女子短期大学と看護大学を統合し、開学しました。その後、平成十八年一月には飯田キャンパスに新校舎を建設するなど、教育環境を整えながら、地域に開かれた大学として県民の期待にこたえてきました。ことし三月には初めての卒業生を送り出し、今後さらに県立大学として与えられた使命を果たしていくことが期待されています。しかしながら、今日の大学を取り巻く環境は厳しく、少子化の影響などにより大学間の競争が今後ますます激化することが予想されております。
 国立大学では、いわゆる大学全入時代の到来を前に、平成十六年には一斉に法人化を行い、また、全国の公立大学も、国立大学の法人化に倣い、既に約六割の大学が法人化するなど、自立した大学運営の組織体制が構築されつつあります。
 こうした中で、県は行政改革大綱に県立大学への公立大学法人制度導入を掲げ、来年の四月から公立大学法人へ移行をする計画を進めています。県立大学が今後さらに地域のニーズや時代の要請に対応した個性豊かな大学づくりを強力に推進していくためには、公立大学法人への移行は適切な判断であると考えます。
 そこで、現在の経営形態から公立大学法人による経営に移行した場合、県民にとってどのようなメリットがあるのか、お伺いいたします。また、大学法人へ経営形態を移行するに当たっては、多様化する学生のニーズにこたえ、大学の独自性を発揮し、経営の効率化を図ることにより大学経営をさらに安定化することが最大のポイントであると考えますが、県では具体的にどのような計画のもとで進めようとしているのか、お伺いいたします。

横内正明知事

 まず、第一問の御質問といたしまして、公立大学法人に移行した場合のメリットについての御質問がございましたが、少子化が進み、大学間の競争が激しくなってまいりますので、県立大学は魅力ある大学としていきませんと将来存立できないということにならないとも限らないわけであります。しかしながら、運営面では、現在は県の一機関でありますので、予算や組織上の制約があるわけであります。県立大学を公立大学法人に移行するというのは、こうした予算や組織上の制約を緩和いたしまして、大学がみずからの自主性を発揮して、みずから県民の期待にこたえる魅力ある大学にしていくということを目的にしているものであります。
 法 人化することによりまして予算や組織面での自由度が大きくなりますので、大学みずからの判断で学生のニーズに合ったような履修コースを設定したり、あるいは学生に対する就職支援体制を強化することが可能になるわけであります。また、県民のニーズを踏まえて観光とかデザインといった公開講座をさらに拡充するとか、あるいは市町村や企業と連携をしながら共同研究を行うというふうに柔軟な大学運営が可能になりますので、これまで以上に教育、研究の充実が図られるとともに、県民や地域社会にもより貢献できる大学になっていくということが期待されるわけであります。
 次に、法人移行後の安定した大学経営についての御質問がございました。
 公立大学法人への経営形態の移行は、大学の運営上の裁量を拡大いたしまして、民間的な手法も取り入れながら経営の安定化を進めていこうとするものであります。
 まず、教育面においては、学生を安定的に確保するためには、学生のニーズにこたえて満足度を高めていかなければなりません。このために、学部ごとに必要な到達目標を定めて、例えば、看護学部であれば看護師試験の合格率だとか、そういうような到達目標を学部ごとに定めまして、客観的な評価を行うということと同時に、学生のアンケートも実施して、教育の質の改善につなげていく、さらには就職支援体制の強化も図っていきたいと考えております。
 また、教職員の意識改革も進め、外部の研究資金の獲得など、法人みずからの経営努力を行って、大学業務の弾力的な運営と効率的な執行を図ってまいりたいと考えております。

山下政樹

 学校の全体的な概略を、とりあえず知事のほうからお話を聞きました。
 それでは、今度は、当然法人化に移行するわけでございますから、そこで働く方々、教職員の方々の身分についてお話をさせていただきます。
 活力ある大学運営を行っていくためには、基盤となる教職員の組織体制がしっかりしていることが重要であります。
 現在県立大学には、教員と事務局職員を合わせて百二十九名が在籍しております。うち、事務局の方は二十三名ととりあえずは伺っております。学生に対してきめ細やかな指導は行われているというふうに伺っております。来年四月に公立大学法人へ移行した後には、それらの教職員の体制や身分、給料表などはどのように変化があるのか、お伺いいたします。

古賀浩史総務部長

 大学につきましては、業務の停滞が直ちに住民に著しい支障を及ぼすものではなく、公務員としての厳格な服務規律を課してまでの中立性や公平性が特に求められているとまでは言えないということがありますので、地方独立行政法人法の規定によりまして、公立大学法人の教職員は非公務員となることとされております。このうち、事務局職員につきましては、県から法人への業務の移行や法人化後の業務運営を円滑に行うために、当面は県職員を派遣することを考えております。
 教職員の給料表などにつきましては、優秀な人材の確保にも留意をしつつ、県職員との均衡を考慮いたしながら、適正な給与体系が構築されるよう、検討を進めております。
山下政樹  全国で三十五の公立大学が現在法人に移行されております。多少のばらつきはありますけれど、二十六の大学がプロパー職員を採用しているということでございます。これは、先ほど言うようにいろいろな規定がございますから、なかなか難しいところもあるかと思います。
 そこで、学生規模を見ましても、本県の県立大学は学生数が千百名を超えるということでございますので、法人化された、三十五の大学の中でも中クラスの規模であり、本県の県立大学より学生数の少ない大学が十五大学ある中で、約三分の二がプロパー職員を採用しているという現状が既にあるわけでございます。
 その中で、私は、県立大学が公立大学法人へ移行した後には、自主的、自立的な運営体制を確保するという観点から、基本的に現職員が運営に直接、余りかかわらないほうがよいのではないかというふうに感じております。特に、先日総務委員会で視察をさせていただいたときに、伊藤学長さんのほうから日本一の大学をつくりたいというようなお話もありました。日本一の大学というのは、必ずしも県の職員が必ず全部出向して、県立大学だからやるというようなことでも私はないかと思います。
 大学法人に移行するに当たって、どうして最初から全職員をプロパー職員とすることができないのか。今、非公務員化ということで非常に難しいハードルはあるのでしょうけれど、先ほどお話ししたように、三十五大学のうち三分の二の大学がプロパーの職員を何らかの形で採用している中において、本県でも十分そういうことが採用できるのではないかということが考えられますけれど、御所見をお伺いします。
古賀浩史総務部長  法人化は、県から独立をした自主的な運営を目指すわけでありますので、ただいま議員から御指摘もありましたように、職員につきましても、民間の視点と責任感を持った法人独自のプロパー職員がいることが望ましく、他の公立大学法人でも、お話がありましたように、一部の職員のプロパー化が行われております。
 しかしながら、県立大学の事務局職員は、これもお話にございましたけれども、二十三人という規模でございまして、法人化後の業務運営を円滑に行うためには、法人化直後に全職員をプロパーとすることは、これは不可能というふうに判断をいたしておりまして、当面県職員の派遣により対応をしてまいりますけれども、今後徐々にプロパー化を図っていく方向で検討してまいりたいと考えております。
山下政樹  なかなか難しい問題点があるということは十分心得ております。  ただ、私がこの質問を裁すときに、私学文書課、担当課といろいろお話をさせていただいた中で、二十二年度から開校するときに、さらに県から、二名から三名の職員を派遣するというふうに一応予定しているということを伺っておるわけでございます。そして、先ほど総務部長からも、私も二十三名と言ったんですけど、これが県職員全部の名前が載っているんですよね。一覧表なんですけれど、これは、要するに二十三名の方々というのは正職員であって、残りの非常勤の方を入れると三十名近い県職員の方がいらっしゃるということなんですよ。それにまだ二名から三名を追加すると。じゃ、なぜそこのときにその二名から三名をプロパー化できないんですか。わざわざ、県の職員が余っているんですか。お伺いいたします。
古賀浩史総務部長  プロパー化を進めるに当たりましては、内部登用という方法も、もちろん希望を募るというような形であるわけでございますけれども、基本的には外部登用といったようなことを中心に考えていかざるを得ないというふうに思います。
 この際に、基本的にプロパー化というのは、やはり業務の継続性の確保という観点から、一遍に大勢を新人にというわけにはいかないという問題もございます。また、職員の年齢構成のバランスを維持していくという必要もありまして、そういう観点でいいますと、一方で優秀な人材の確保ということも求められておりますので、さまざまな年齢層の職員を同時に採用していくというのは、これがまた非常に難しいということも御理解いただけようかと思います。
 そういう中で、今、御質問にもございました職員の派遣につきましては、これは他大学におきましても、もちろん初年度からプロパー職員の採用を開始しているところ、これも、先ほど三十五法人というお話にあった中では、十八法人、半分あるわけでございますけれども、一方で、このプロパー化というものを段階的、計画的に、そして円滑に進めていくという観点から、残りの半数につきましては、二年目、三年目、あるいはそれ以降といった形で採用が進められております。本県におきましても、もちろん県から職員を必要以上に多く派遣するということは到底考えていないわけでございまして、当然、公立大学法人化ということをなし得た初年度、ある意味でいろいろなプラスアルファの業務等も出てまいります、そういうことも勘案をして、当面円滑に業務体制を維持するといったような観点から、必要最小限ということで体制は考えておりますけれども、いずれプロパー化ということにつきましては、これは、大学の自主的な運営を確保するという観点から、本県といたしましても段階的に導入を図っていきたいと考えております。