平成24年12月県議会定例会 一般質問
山下 創明会の山下でございます。
 質問に先立ち、今回の笹子トンネル天井板崩落事故により犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、大きな打撃を受けている観光業等に対する県の全面的な支援を重ねてお願いいたします。
 今回の一般質問では、さきの衆議院選挙の結果を踏まえ、社会保障と税の一体改革や道州制等の新たな統治機構のあり方という大きなテーマについて、地方の視点から考え、質問いたします。
 県民の皆様の関心も高いと思いますので、わかりやすい御答弁をお願いいたします。

 1. 山梨県版「社会保障と税の一体改革」の実施について 
(1) 消費税増税に伴う収入・経費について
山下 去る八月二十二日、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律や、子ども・子育て支援法など、社会保障制度改革に関連する八つの法律が公布されました。
 このうち、消費税については、平成二十六年四月に、現行の五%から八%に、さらに、それから一年半後の平成二十七年十月に一〇%に引き上げるというもので、すべての国民に大きな負担増となる制度改正であることから、賛成・反対のそれぞれの立場からさまざまな意見が出されました。
 一人の生活者の立場から考えれば、日々の暮らしで負担しなければならない消費税などの税率は、低いにこしたことはありません。
 しかし、本年度末で、国と地方を合わせ、約九百四十兆円と、我が国のGDPの二倍に相当する長期債務残高があることを考えれば、税制改正を通じた財政健全化は、決して避けて通ることのできない課題だと思います。
 GDP比で見れば、我が国より、はるかに債務残高が少ないギリシャでは、深刻な財政危機に陥った結果、欧州連合や国際通貨基金などから金融支援を受けることとなりましたが、その条件として、年金支給額の減額や福祉・医療費の削減など、極めて厳しい財政緊縮策が検討・実施され、国民生活に暗い影を落としています。
 こうした状況は、対岸の火事ではなく、やがて我が国に起こるかもしれない、今そこにある危機であり、これらを回避するためであれば、私は、すべての国民で痛みを分かち合う消費税増税もやむを得ないと思います。
 選挙結果を見ても、多くの国民が、そのように考え、一票を投じたのではないでしょうか。
 そして、消費税増税検討の過程でなされた議論をさらに深め、今後、一層の高齢化や人口減少を迎える我が国の社会保障制度における負担と給付のあり方や行政サービスの水準を、県や市町村等でも真剣に検討すべき時期に来ていると思います。
 特に、消費税率引き上げ時の国と地方の税収配分をめぐり、地方が実施する社会保障給付である地方単独事業の整理が行われ、現行事業費の約六割のみしか配分基礎額として認められなかった一方で、社会保障財源化されたことを踏まえ、地方単独事業全体を早急に見直す必要があると思います。

総務部長 山下議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、消費税増税に伴います収入・経費についてでございます。
 まず、地方消費税の増収についてでございますが、消費税率が現行の五%から一〇%に引き上げられることによりまして、本県での増収額は、平成二十三年度の都道府県間の清算後の決算額をもとに試算いたしますと、平年度ベースで二百億円程度と見込んでおります。
 また、消費税率五%引き上げによります地方交付税法定率分の増収枠でございますが、国の試算によりますと、地方全体で九千二百億円程度と見込んでおりますが、本県への配分額につきましては、増税後の社会保障の地方負担の増加などについて、どのように地方財政計画に反映されるのかや、地方交付税の基準財政需要額への算入方法などが決まっておりませんので、本県におけます増収額を試算することは困難でございます。

 (2) 県財政への影響とその対策について
山下 そこで、まず、今回の消費税増税が本県の財政に与える影響について、何点か伺います。
 国では、八月三十一日に、今回の消費税増税を踏まえた中期財政フレームや経済財政の中長期試算などを明らかにしました。
 これらによれば、財政健全化をあらわす指標である国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字幅が半減できるものの、黒字化という目標は困難という極めて厳しい内容となっており、今後とも、歳出の徹底的な削減はもとより、他の税目の増税など、歳入確保に向けた積極的な取り組みが必要であると思います。
 そこで、今回の消費税増税により、本県への地方消費税や地方交付税として、どれだけの税収増が見込まれるのか。重ねて、県が提供を受けるサービスや物品の購入などに関して、どれだけの経費の増加が想定されるのかについて伺います。
 もちろん、引き上げ後の地方消費税や地方交付税の詳細な配分方法が決まっていないのは、十分承知しておりますが、全国知事会が十月に平成二十五年度税財政等に関する提案を国に対して行うなど、実務的な検討は、かなり進んでいると思います。
 これらを踏まえた現時点の想定で結構ですので、大枠を示していただきたいと思います。
 また、公共事業や施設整備事業など、多額の経費を必要とする事業については、長期的な視点に立ち、計画的に実施されていますが、今回の消費税増税により、大幅な経費増となり、見直すべきものも出てくると思います。
 そこで、県の主要な事業や基金、県債残高など、県財政の中期見通し等について、どのような影響が生じるのか。また、これに関して、どのような対策を講ずるのか伺います。

横内知事 山下議員の御質問にお答えいたします。
 初めに、消費税増税に伴う県財政への影響とその対策についてという御質問でございます。
 議員の御指摘のとおり、消費税率の引き上げに伴いまして、計画的に実施している主要事業については、事業費の増加や、これに伴う県債の増加が見込まれるほか、社会保障経費を初めとする一般行政経費も、また増加が見込まれるところであります。
 こうした消費税率の引き上げに伴う地方公共団体の支出の増加について、現時点では、国において、これにどう対応するのかということとか、地方財政計画上、どういう取り扱いをするのかというようなことが、明らかになっておりませんので、県財政への影響については、現時点ではわからないと申し上げるしかないわけでございますが、いずれにしても、そうした支出の増加の影響を極力少なくするために、県としても、施策の優先順位を見きわめながら、計画的、効率的な財政運営に努めていかなければならないと考えております。
総務部長 次に、経費の増加についてでございますが、県が物品を購入したり、委託契約や公共工事の請負契約を結んだ近年の実績額をもとに試算いたしますと、消費税率が五%引き上げられた場合に、これらに要する経費は四十数億円程度の増になる見込みでございます。

 (3) 地方消費税に対する取り組み状況について
山下
 次に、地方消費税の配分額を上げるための具体的な取り組みについて、お伺いいたします。
 国の消費税と一緒に徴収する地方消費税については、小売年間販売額や人口などの指標をもとに、都道府県間で清算が行われており、税収をふやすためには、県内消費を拡大するとともに、国に対して、本県に有利な配分基準への見直しを働きかけることが有効です。
 例えば、佐賀県では、児童生徒に県内消費の大切さを訴える租税教室を実施するとともに、企業に県内消費拡大に関する具体的な宣言をさせる「わが社もBuy(バイ)さがん宣言」等を実施しております。
 また、奈良県では、隣接する大阪府で商品等を購入することによる、いわゆる県外消費流出の問題を取り上げ、人口にウエートを置いた清算基準に改めるとともに、引き上げ後の税収配分が社会保障財源化されることを踏まえ、社会保障経費と関連が深い高齢者人口等も加味するよう、国に提案しています。
 今回の衆院選でも、消費税の地方税化や、地方交付税にかわる新たな財政調整制度などが争点となりましたが、今後の国と地方のあり方を考える上で、税制を含む地方財政全体についての議論を深めることが必要だと思います。
 そこで、地方消費税の配分や、税制のあり方に関する本県の具体的な取り組み状況について伺います。

総務部長 次に、地方消費税に対します取り組み状況についてでございます。
少子高齢化対策や地域経済の活性化など、地方の増大する役割に適切にこたえていく観点からは、本県では地方税財源の充実や、国・地方間の税財源配分のあり方について検討を行ってまいったところでございます。
都市と地方がバランスよく発展する視点に立った税制のあり方という観点からは、平成二十三年度に、福井県など本県と共通の課題を抱えます十三県で、新たな国づくり税制調査会を発足させておりまして、調査研究を行っております。
ここでは、地方消費税の清算基準のあり方についても検討テーマとして取り上げていまして、現行の税率分については、県民の県外での消費動向も正確に反映させるために、県内小売販売額等よりも人口にウエートを置いた清算基準に見直すこと。引き上げ予定分につきましては、社会保障財源化されることを踏まえますと、地方の社会保障経費と相関の高い高齢者人口や若年者人口などに応じて配分することを提案しているところでございます。
人や企業の地方分散、地方の資源の有効活用を促す税制とあわせまして、十六項目の税制改正案として取りまとめておりまして、政府に提言を行ったところでございます。
 さらに、地方消費税の充実などによりまして、地域間の偏在性が少なく、安定性の高い地方税体系の確立を図ることにつきましては、全国知事会を通じまして国へ要望を行っておりまして、あわせてこれが実現した際には、暫定的な措置として導入された地方法人特別税については、その廃止等を基本として、抜本的に見直すことを求めているところでございます。
 以上でございます。

(4) 重度心身障害者医療費助成制度の見直しについて
山下 次に、県の主要な社会保障制度である県単医療費助成制度の見直しについて何点か伺います。
 六月定例会では、六十八歳及び六十九歳の市町村民税非課税世帯の方々を対象とした県単老人医療制度の廃止が、そして、九月定例会では、心身に重い障害をもつ重度心身障害者の方々への現物給付、いわゆる窓口無料方式の見直しの方針が相次いで示されました。
 しかし、同じ窓口無料方式を採用している乳幼児やひとり親家庭を対象とした医療費助成制度については、いわゆるコンビニ受診による医療費の増加などの課題があるにもかかわらず、自動還付に要する費用がペナルティーを上回るという理由により、対象から除かれました。
 私は、高齢化や人口減少等の状況変化を踏まえ、医療費助成などの県単独の社会保障制度を見直すことは必要だと思います。
 しかし、このような見直しを行うに当たっては、対象者の状況を熟知している市町村等の意見も十分に踏まえ、特定の人々に負担が偏らないよう、社会保障制度全体をどのように改革するのかといったグランドデザインを提示することが必要不可欠だと思います。
 まず最初に、重度心身障害者医療費助成制度の見直しについて伺います。
 県では、この見直しの方策として、自動還付方式を採用するとのことですが、長野県や奈良県など、全国で六県しか導入されておらず、導入には慎重な検討が必要と思われます。
 さきの九月の定例会の代表質問において、自動還付方式へ移行することに伴い、国民健康保険団体連合会などへの新たな事務費の支払いが発生することになり、これが乳幼児やひとり親家庭への医療費助成事業のペナルティー削減額を上回る見通しであるとの知事答弁がありましたが、制度移行に伴う事務費等の負担増に関する具体的な説明はありませんでした。
 そこで、今回の自動還付方式を導入する場合、システムの改修などで、どのくらいの初期投資が必要となるのか。また、審査事務手数料や事務費などで、どのくらいのランニングコストが見込まれるかなど、自動還付方式の移行・運用に要する費用の見通しについて伺います。

福祉保健部長 山下議員の御質問にお答えいたします。
 まず、重度心身障害者医療費助成制度の見直しについてであります。
 自動還付方式の移行・運用に要する費用の見通しについてでありますが、自動還付方式では、国民健康保険団体連合会が診療情報を集計して市町村に提供することとなり、その業務を正確・迅速に行うために不可欠なコンピュータシステムを新たに構築する必要がございます。
 現在、この構築に向けた準備を進めているところでございまして、費用が積算できる段階になるまで、もうしばらく時間が必要でございます。
 また、ランニングコストといたしましては、医療機関が診療情報を提供するための費用や、その診療情報を国民健康保険団体連合会が処理するための費用が必要になりますが、現在、医療機関や国民健康保険団体連合会と精査をしているところでございまして、金額が固まった段階でお示しをさせていただく予定でございます。

 (5) 総合合算制度が導入された場合の対応について
山下
 次に、国で検討中の総合合算制度が導入された場合の対応についてです。
 国では、社会保障制度や税制を一体的にとらえ、給付の効率性や透明性を高める観点から、マイナンバー制度の導入を目指しており、その具体的活用策の一つとして、医療・介護・保育等の制度単位ではなく、家計全体をトータルにとらえ、自己負担の合計額に上限を設定する、いわゆる総合合算制度の平成二十七年度以降の導入に向けた検討を進めています。
 この総合合算制度が導入されれば、社会保障に関する負担と給付については、全国一律の新たな基準が設けられ、公平性が確保されることとなります。
 そうなれば、重度心身障害者等への県単独の医療費助成制度の必要性は著しく低くなり、平成二十六年度に導入予定の自動還付方式も、大幅な見直しを余儀なくされると思いますが、御所見をお伺いいたします。

福祉保健部長 次に、総合合算制度が導入された場合の対応についてであります。
 総合合算制度は、低所得者対策として、医療・介護・障害・保育の費用に自己負担額の上限を設定し、これを超える分を給付するものであるため、乳幼児、ひとり親家庭、重度心身障害者の医療費助成事業に影響があるものと考えております。
 しかしながら、国から総合合算制度の具体的な内容と導入時期が示されていないことから、現時点におきましては、自動還付方式を含め、県単独医療費助成制度がどのような影響を受けるのか明らかでなく、国の動向を注視するとともに、総合合算制度が導入された場合には、必要な対応をとってまいります。

 (6) 乳幼児医療費助成制度について
山下
 次に、乳幼児医療費助成制度についてです。
 この制度は、疾病の早期発見・早期治療や、子育て家庭の経済的負担の軽減を目的として、通院は五歳未満児まで、入院は義務教育就学前までを基本に実施されていますが、県内各市町村の独自の上乗せ措置により、対象年齢はばらばらとなっています。
 また、経済的に余裕のある世帯も対象にするなど、所得制限は一切なく、コンビニ受診が大きな問題となっているにもかかわらず、一部負担金も徴していない状況です。
 私は、この制度についても、自動償還方式に改め、所得制限や一部負担金を導入する一方で、対象年齢の大幅な拡大を図るなど、制度の抜本的な改正を行うべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 福祉保健部長 次に、乳幼児医療費助成制度についてであります。
 次世代を担う子供たちが、心身ともに健やかに生まれ育つためには、病気にかかりやすい乳幼児期に安心して医療を受けることができる環境を整備することが重要であり、保護者の経済的負担を軽減する乳幼児医療費助成制度は、大変意義がある制度であります。
 その一方で、乳幼児医療費助成制度を維持するための県の財政負担額は、平成二十三年度決算で六億五千九百万円となっております。
 このため、乳幼児医療費助成制度についても、自動還付方式への制度変更について検討いたしましたが、制度変更に伴って発生する新たな経費が、窓口無料化によるペナルティーを補てんする補助金の削減額を大幅に上回るため、見直しの効果が期待できないと判断をしたところでございます。
また、助成対象年齢の拡大につきましては、多くの市町村が県基準を上回る年齢まで助成対象を引き上げている中で、どのような子育て支援策が効果的なのか、さまざまな観点から慎重に検討していく必要があると考えております。

(7) 医療費助成制度改革に係る全体像の提示について
山下
 次に、医療費助成制度改革に関する全体像の提示について伺います。
 国の社会保障制度と税の一体改革で最も問題となったのが、負担増の話ばかりで、社会保障制度の全体像が見えないことでした。
 これは本県も同じで、個々の医療費助成制度を廃止・見直しすることにより、県として、どのような社会保障を目指すのかという全体像が全く見えません。
 例えば、本県より一足早く県単老人医療制度を廃止した岡山県では、制度廃止のかわりに、乳幼児等への助成を拡大する公費負担医療制度見直しの全体像を公表し、県民の理解を求めました。
 本県でも、今回見直しが行われた重度心身障害者医療費助成制度に、乳幼児とひとり親家庭も加え、医療費助成制度改革の全体像を示すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 福祉保健部長 次に、医療費助成制度改革に係る全体像の提示についてであります。
 県単独医療費助成事業の見直しを行うに当たりましては、本県の厳しい財政状況の中、助成制度の設立当時と比べ、社会・経済情勢が変化している状況や、国の社会保障制度改革における動向を勘案しながら、検討を行ってきたところであります。
 受給者の方々の健康の維持や、医療を受けるための経済的な負担の軽減という役割を果たしてきている制度であると考えておりますので、今後も安定した持続可能な医療費助成制度として維持できるよう努めてまいります。
 以上でございます。

2. 道州制導入に向けた取り組みについて
(1) 首都圏を圏域とする道州の具体化に向けての取り組みについて
山下
 次に、道州制導入に向けた取り組みについて伺います。
 去る九月五日、人口が二百万人以上の政令指定都市及び周辺市町村に、東京二十三区と同様の特別区の設置を認める大都市地域における特別区の設置に関する法律、いわゆる都構想法が施行されました。
 同法の要件からすると、大阪市やさいたま市など、十の政令指定都市が対象になり、これらの都市を包括する道府県も大きな影響を受けることとなります。
 特別区設置に向けた具体的な手続として、対象地域の議会の議決や住民投票での過半数の賛成が求められるなど、決して低いハードルではありませんが、もし、実現すれば、百数十年続いてきた都道府県の形が大きくかわるものとなるだけに、注目が集まっています。
 こうした大都市制度の議論とあわせ、道州制についても議論が高まっています。
 本年四月には、横内知事を含む九人の知事と十五人の政令指定都市の市長が、道州制推進知事・指定都市市長連合を設立し、地方の側から国民的な議論を喚起し、政府・政党を動かすことで地域主権型道州制を導入する道筋をつけることなどを目的として活動を始められました。
 去る八月二十二日には、自由民主党や公明党などの主要政党に対し、道州制推進法を早期に成立させることや、次期総選挙の政権公約に、道州制を推進する方針等を盛り込むことなどについて要請を行ったため、今回の衆院選でも、道州制へのスタンスが主要な争点の一つになりました。
 私は、国の将来の形の一つとして、地方分権型国家が望ましいと考えます。
 すなわち、住民に最も身近な行政を基礎自治体である市町村が担い、国は、外交や防衛など、国家全体の利害に直接関わる事務に専念する。
 そして、この市町村と国をつなぐ広域自治体として、ヨーロッパの中堅国程度の経済力を持つ道州を導入するというものです。
 ただし、この道州を導入するに当たっては、全国町村会から慎重な意見が出ていることを踏まえ、拙速な導入を避け、その前段階として、近接する都道府県間で、さまざまな分野での広域連携を行い、道州に移行した場合のメリットやデメリットを十分把握してから移行することが必要と考えます。
 本県は、歴史的・経済的なつながりという観点から考えれば、長野県や静岡県、新潟県などとの道州を構成するという選択肢もありますが、首都圏整備法により首都圏とされており、過去の道州制の区割案では、関東州などに区分されることが多くなっております。
 知事は一期目の政策提言で、道州制の導入に言及され、二期目のマニフェストでも、「大きな規模をもつ道州が地域間競争を行い、より広域的な視点に立って地域振興策を講じていくことにより、日本全体を活性化することができます」と記されています。
 そして、第二期チャレンジ山梨行動計画の主要な施策・事業に、道州制の実現に向けた連携強化等を掲げ、「道州制の実現に向け、本県を含む首都圏等に共通の課題の解決を図りながら、広域的な連携を強化する」としています。
 しかし、本県が含まれる首都圏について見ると、道州制推進知事・指定都市市長連合に参加されているのは、横内知事と、川崎市など政令指定都市の市長のみで、各都県知事の参加は得られていません。
 また、道州制につながると思われる広域連合についても、昨年十月に開催された関東知事会議において、一都九県の関東広域連合の設置が見送られたままストップしており、全国的な議論から取り残されてしまうのではないかとの危機感を抱いています。
 そこで、首都圏を圏域とする道州の具体化に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか、まずお伺いいたします。

横内知事 次に、道州制の導入に向けた取り組みについて、幾つかお尋ねをいただいております。
 まず、首都圏を圏域とする道州の具体化に向けての取り組みについての御質問でございます。
 道州制につきましては、先般実施された衆議院議員総選挙におきましても、政権与党となりました自由民主党及び公明党を初め、複数の政党の政権公約に盛り込まれるなど、実現に向けた機運の高まりが見られるところであります。
 一方、国の出先機関廃止に伴う事務・事業の受け皿に関連しまして、関西や九州などで特定広域連合を目指す動きがございますけれども、関東地方知事会においては、当面、こういう広域連合は設けないで、各都県単独あるいは都県の広域連携で対応していくということにしたところであります。
 広域連合につきましては、関東地方知事会でも、知事会の下に各県の部局長クラスの協議会を設けまして、一年間、相当、詰めた検討も行ったわけでありますが、関東一都九県においては、広域行政のあり方について、さまざまな意見がございまして、意見統一をするのに、なお多くの時間が必要になると見られましたために、現実的な判断を行ったものであります。
 将来の道州制実現に向けましては、議員御指摘のとおり、本県として近隣都県との広域的な連携を通じて、メリット・デメリットを検討することが重要なワンステップであります。
 そこで、引き続き、広域防災や有害鳥獣対策など近隣都県と共通する課題について連携強化を進めるとともに、今後の道州制議論の進展を見きわめながら、知事会等の場を通じて、本県を含む道州制の具体化に向けて取り組んでいきたいと考えております。

 (2) 道州制に対する考えについて
山下
 また、知事は四月下旬の記者会見において、「道州制は地方自治制度の問題だけではなく、衆議院・参議院の両院が要るのかといった国のあり方についての議論も必要で、じっくりした検討が必要だ」との発言をされました。
 一方、同連合が七月に公表した「地域主権型道州制の基本的な制度設計と実現に向けた工程」では、来年の通常国会までに道州制推進基本法を制定し、その後、六年から八年で道州制に移行するとしており、このスケジュール等から考えると、道州制について、既にかなり詳細な青写真ができていなければならないと思います。
 そこで、道州制の主要な項目、例えば道州の数や区域、首長や議員の選出方法、税制や他の道州との財政調整の仕組み、さらに、特別区など既存の大都市制度との役割分担等について、現時点で、知事はどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
 以上をもちまして、私の質問を終わります。

横内知事 次に、道州制に対する考え方についてという御質問でございます。
 私は、道州制のあり方として、権限や財源を持った十程度の広域的な自治体が、直接選挙によって選ばれた首長と議員のもとで、お互いによりよい行政を競い合う、いわゆる善政競争を行っていくということが、日本全体の活性化に資するものだと考えているところであります。
 また、道州が担う役割に応じた財源を確保するためには、偏在性が小さくて、安定性を備えた地方税体系を構築すると同時に、何らかの財政調整制度は当然設ける必要があるわけであります。
 さらに、道州に含まれる大都市のあり方につきましては、通常の市町村とは異なる広域的な行政制度というものが、道州の中においても必要とされるわけでありますが、そうした制度の検討ももちろん必要だと思います。
 道州制の枠組みにつきましては、本県は関東州あるいは南関東州に属すると。これは地方制度調査会において、かつて議論が行われた中で、南関東州の中に属するというような案が出ておりました。そういうことになると考えますけれども、いずれにいたしましても、道州制の導入は、単に地方自治制度の変更にとどまらずに、国のあり方そのものを問い直す非常に大きな取り組みでありまして、国民的な議論を踏まえた検討が必要でございます。
 今般、道州制連合──私も所属しておりますけれども、道州制連合が公表した工程は、地域主権型の道州制の導入に向けて、国民的な議論を促したいという一つのたたき台として整理した試案でありまして、これによって議論が巻き起こればいいなという思いから、かなり前倒し的なスケジュールを提案しているわけでございますけれども、今後、国政はもちろんのこと、さまざまな場で、この道州制についての議論が深められていくことを期待したいと思っているところであります。
 以上をもちまして、私の答弁といたします。その他につきましては、担当部長からお答えをさせていただきます。


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