平成27年6月県議会定例会 一般質問
山下政樹  私は、自由民主党山親会の立場から、今定例会に提出されました案件並びに県政一般について質問いたします。

 今回の一般質問では、後藤知事が今議会に提出された最初の政策予算に盛り込まれた施策・事業に関連し、本県の産業振興や学生の県内企業への就職促進など、人口百万人を目指す本県の財政的基盤となる産業分野を中心に質問したいと思いますので、県民の皆様にわかりやすい簡潔かつ明瞭な御答弁をお願いいたします。

 さて、山梨県を含む日本全体が、人口減少社会というこれまでに経験したことのない状況に直面しています。

 県民の豊かな暮らしを実現していくためには、この人口減少を食いとめ、さらには増加に転じさせて、活力ある地域社会を築いていく必要があります。

 そのためには、さまざまな取り組みが必要だと思いますが、私は、中でも成長の見込まれる産業の芽を育むことや、裾野が広く、多くの雇用につながる産業を県外から誘致することにより、安定した雇用を確保し、本県経済を活性化させていくことが、何より重要と考えております。



1. 本県の産業振興について

(1) 県内中小企業の新製品・新技術の事業化について

 そこで、本県の産業振興について幾つか質問いたします。

 まず、県内中小企業の新製品・新技術の事業化について伺います。

 県内経済の活性化には、県内企業の九九・九%を占める中小企業の活性化が重要であるため、県は平成二十三年に産業振興ビジョンを策定し、クリーンエネルギーや医療機器、スマートデバイスなど、今後、成長が期待される産業分野への県内中小企業の参入を支援するため、新製品・新技術の研究開発に対して助成を行ってきました。

 昨年度も、意欲的な県内企業による四件の開発案件を採択したと聞いております。

 しかし、肝心なのは、開発の終了後であります。

 せっかく、これまでにない機能・性能を持った新製品・新技術の開発に成功しても、中小企業には、一般消費者や大手企業等に対し、製品等のPRを行う人材や人的ネットワーク等が不足していることから、事業化が難しい状況にあります。

 そこで、県では、県内中小企業が開発した新製品・新技術の事業化に向け、具体的にどのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。

◯後藤知事 山下議員の御質問にお答え申し上げます。

 本県の産業振興について、幾つかお尋ねをいただいております。

 まず、県内中小企業の新製品・新技術の事業化についてであります。

 県内の中小企業が開発した新製品・新技術を事業化につなげていくためには、大手企業との人的ネットワークや知名度、営業人材の不足等の課題に県として積極的に対応していくことが重要であります。

 このため、県では、成長分野を中心に大手メーカーに出向き、県内中小企業の製品や技術をPRする展示商談会を開催しておりますが、本年度はまず、自動車メーカーのホンダで実施することとし、こうした機会の積極的な活用を促してまいります。

 また、大手企業と本県中小企業との橋渡しを行う事業者に対し助成する受注開拓支援事業や、商工団体、県内金融機関等と協働して県内中小企業の販路開拓などを支援するサポート連携拠点事業を実施し、中小企業の新製品・新技術の事業化に結びつくよう、県として積極的な支援を行ってまいります。



(2) 産業政策アドバイザーの活動成果について

山下政樹  産業政策アドバイザーの活動成果について伺います。

 平成二十四年から、産業振興ビジョンの推進を図るため、産業政策アドバイザーを設置し、県の産業政策全般にわたる提言などを行っていただいていると承知しております。

 そして、その提言の中から、具体的な事業として、成長産業に参入するため企業間連携を進め、共同受注体を形成するタスクフォース事業や経営塾事業を実施するなど、精力的に活動されてきました。

 そこで、産業政策アドバイザーの設置から三年が経過した今、まず、これまでの活動の成果と評価について伺います。

 また、その成果を確かなものとするため、今後さらにどのように取り組んでいかれるのか、重ねてお伺いをいたします。

◯産業労働部長 山下議員の御質問に答えいたします。

 産業政策アドバイザーの活動成果についてであります。

 産業政策アドバイザーには、就任以来、延べ三百回を超える県内中小製造業の経営者との意見交換等を重ねる中で、県内企業の実情や御自身の経験を踏まえた政策提言をいただくとともに、個々の企業に対しても、経営上の課題に関する助言はもとより、技術者や取引先の紹介など、支援をしていただいております。

 また、提言に基づき実施した県内中小企業が連携し、クリーンエネルギー、医療機器などの成長分野への参入にチャレンジするタスクフォース事業などにつきましては、アドバイザーみずからが積極的に関与する中で、企業が試作品を共同開発したり、展示会へ共同して出展するなど、成果をおさめています。

 現在、これらの事業に参加した企業等により、市場のニーズに応じた試作品の改良など、事業化に向けた取り組みが進められているところでありますので、さらなる成果につなげていくために、本年度も産業政策アドバイザーを初め専門家による支援を行ってまいります。



(3) 情報通信関連産業の振興について

山下政樹  情報通信関連産業の振興について伺います。

 近年、情報通信技術は目覚ましく発展し、企業の研究開発の高度化や、デザイン力の向上を促進させ、より付加価値の高い生産活動に大きく寄与しております。

 こうした状況のもと、情報サービス業、インターネット付随サービス業など、情報通信関連産業の振興は、本県においても、多様な産業分野での技術革新や経営革新を促し、本県経済のさらなる飛躍と、雇用環境の向上に大きな力になると考えます。

 このため、まず、県内の情報通信関連企業の持続的な発展を図ることが重要であり、あわせて、県外からの情報通信関連企業の誘致も積極的に図ることにより、本県における総合的な情報通信関連産業の振興を目指すべきと考えますが、県はどのように取り組んでいくのか、御所見を伺います。

◯企画県民部長 山下議員の情報通信関連産業の振興についての御質問にお答えをいたします。

 情報通信関連産業は、産業全体を支える基盤的な役割を担う、今後も成長が期待される産業であり、本県経済の発展や雇用の確保のため、さらなる振興を図っていく必要があるものと考えております。

 このため、県では、県内の情報通信関連企業に対して、ニーズに合った人材養成を行うとともに、雇用につながる事業所の新設や増設、付加価値の高い商品開発に向けた大学との連携の場の提供などの支援を行っているところであります。

 また、県内における情報通信関連産業の集積の促進と、雇用機会の拡大を図るため、大都市圏などからの企業誘致にも積極的に取り組んでいるところであります。

 今後におきましても、県内の情報通信関連企業の持続的な発展を支援していくとともに、あわせて、豊かな自然と、大都市圏に近い立地環境や整備された通信環境など、本県の魅力もアピールしながら、企業誘致を積極的に行い、情報通信関連産業の振興を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。



(4) 本社機能の移転について

山下政樹  本社機能の移転についてであります。

 国は、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中で、企業の地方拠点強化を誘導しており、今後、大都市圏の企業の地方進出も期待されています。

 私は、本県の定住人口を増加させるには、首都圏から企業の本社機能を移転することが効果的であると考えております。

 そうした中、去る六月十九日、地域再生法の一部を改正する法律が改正され、地方創生推進の観点から、東京二十三区から地方への本社機能の移転や、地方にある企業が本社機能を強化する場合、取得した建物や新たに雇い入れた従業員の数に応じた企業の国税・地方税を軽減する地方拠点強化税制が創設されることとなりました。

 そこで、今後、県としてどのように対応していくのか、お伺いいたします。

◯後藤知事 本社機能の移転についてであります。

 人口の東京への過度の集中を是正し、東京二十三区などから地方への新たな人の流れを生み出すため、本社機能の移転・新増設を行う事業者に対する支援措置が盛り込まれた改正地域再生法が成立したところでございます。

 この法律では、今後、国が定める地域再生基本方針に基づき、県や市町村が地域再生計画を作成し、国の認定を受けることにより、その計画に従って本社機能の移転等を行った事業者には、建物等の取得や雇用者数の増加に応じて、課税の特例等の優遇措置を受けられることとなります。

 東京などから我が県へ本社機能の移転等を促進することは、本県の人口減少対策や地域の活性化にとって、大変重要でありますので、現在行っている企業立地ニーズ調査により、対象企業を絞り込んだ上で、この制度も活用して、本県への本社機能の移転等が進むよう、市町村とも連携をしながら積極的に取り組んでまいります。



2. 学生の県内企業への就職促進について

(1) 県外の学生の県内企業への就職促進について

山下政樹 まず初めに、県外の学生の県内企業への就職促進についてであります。

 毎年、県内の高校を卒業し、大学等へ進学する生徒の半数以上が県外に進学していますが、県内に戻って就職した方は、わずか二五%程度とのことであり、県外へ進学した学生の皆さんにUターン就職してもらうことは、人材確保の点から重要な課題の一つであります。

 県では都内にやまなし暮らし支援センターを設けるとともに、就職相談員を配置し、県内への就職を進めておりますが、県内へUターン就職をしてもらうためには、県内企業についての情報を発信し、さらに企業の魅力をPRして、県外にいる学生に県内企業について知ってもらうことが必要であります。

 さらに、同センターでは県内への移住情報の提供も行っていますが、NPO法人ふるさと回帰支援センターが実施した昨年の移住希望地域調査では、本県が一位となりました。住居から就職先までワンストップで相談に応じる体制が成果に結びついているとされており、本県の自然環境やアクセスの利便性などの居住環境が評価されたものと思います。

 このように移住希望が多いのですから、県外出身者に県内へ就職してもらうIターン就職も、人材確保に有効ではないかと考えます。

 そこで県では、これまでの実績を踏まえ、県外の学生の県内への就職支援にどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

 学生の県内企業への就職促進についてであります。

 さきに発表されました県内の有効求人倍率は〇・九八倍であり、一倍が目前となっています。リーマンショック以前は一倍を超えており、このまま回復基調が持続していくことを期待していますが、有効求人倍率が一倍になりつつあるということは、一方で県内の中小企業にとっては、人材の確保が難しくなる面もあると考えます。

 知事も公約で、「山梨大学と県内企業との連携を強化し、県内企業トップによる魅力の発信や、実業に即したインターンシップを展開し、卒業生の県内企業への就職を促進する」と言われていますが、県内企業の人材に対するニーズに応えていくためには、人材の確保に今まで以上に力を入れていくことが重要ではないでしょうか。

 県外の大学へ進学された方はもちろん、県内の大学の卒業生であっても、県内企業への就職率は決して高くないのが実情です。こうした学生の県内企業への就職を積極的に促進していくことが、まさに今求められている施策であり、人材確保の強化につながっていくものと考えます。

◯後藤知事 県外の学生の県内企業への就職促進についてであります。

 優秀な人材を確保していくことは、本県産業の活性化や中小企業の持続的発展にとって、極めて重要なものであります。

 特に、県外へ進学した学生の県内企業へのUターン就職率が低いことから、県では、県外へ進学した学生にユースバンクやまなしへの登録を呼びかけ、県内の企業情報や就職支援情報をメールマガジンにより提供しております。

 また、やまなし暮らし支援センターの就職相談員が、学生U・Iターン就職促進協定を結んだ七大学を含む東京圏の大学を訪問し、県内企業の採用情報などを提供するとともに、都内において、本県出身学生を中心に、県内企業との合同就職面接会を開催しております。

 さらに、学生が就職先を選考するに当たっては、保護者の影響力も大きいことから、県内で親子Uターン就職セミナーを開催し、経営者等が自社の説明を行うとともに、都内における合同就職面接会等について紹介するなど、多様な就職支援活動を実施しております。

 こうした取り組みにより、東京圏の大学等を対象に行った調査では、本県出身学生のUターン就職率は、平成二十三年度の二〇・九%から、平成二十五年度には二五・五%に上昇しております。

 さらに、本年度から東京圏の大学生を対象に、県内企業の見学会や都内での経営者との意見交換会を開催することとし、ユースバンクやまなしへの登録率も高め、県内企業の魅力を強力に発信して、U・Iターン就職の促進を図ってまいります。



(2)  山梨大学工学部の学生の県内企業への就職促進について 

山下政樹  県内大学の学生、特に本県の基幹産業である機械・電子産業への就職が期待される山梨大学工学部の学生の県内企業への就職促進についてであります。

 直近のデータによりますと、山梨大学工学部卒業の県内企業就職者は、平成二十五年度は二四・七%、平成二十六年度は二八・七%となっています。

 県では、これまで、山梨県機械電子工業会と連携し、優秀な人材を育成し、その人材が県内企業へ就職してリーダーとして活躍することを目的とした山梨大学工学部の実施する地域産業リーダー養成教育プログラムを支援していますが、そのさらなる充実を図るとともに、このプログラムに参加していない学生に対しても、県内企業への就職を積極的に働きかける必要があるのではないでしょうか。

 県内の中小企業の中には、すぐれた製品や技術を持つ優良企業が多数あると産業政策アドバイザーの角田氏からも伺っております。

 しかし、名が知れた大企業等に比べ、一般的に知名度が低いことから、学生の就職先として選択されにくい状況にあります。

 そこで、例えば、県がコーディネートして、学生に企業へ足を運んでもらい、直接、技術に触れ、また、その技術を体験するなど、県内中小企業の技術力、将来性を知ってもらう機会を提供していくことが求められています。

 また、県内中小企業の魅力を学生だけではなく、就職に影響力のある大学教授にも理解していただく必要があります。そのためには、県内中小企業経営者と大学教授とが意見を交換する機会も、非常に有効であると考えます。

 こうしたさまざまな取り組みにより、山梨大学工学部の学生の県内企業への就職をさらに促進すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

◯後藤知事 山梨大学工学部の学生の県内企業への就職促進についてであります。

 本県の基幹産業である機械・電子産業が活性化し、発展していくためには、優秀な人材を育成し、確保していくことが大切であります。

 このため、県内で活躍する優秀な人材の育成を目的として、山梨大学工学部が実施しております地域産業リーダー養成教育プログラムを、県と産業界が連携する中で支援しているところであります。

 このプログラムでは、県内企業の経営者などが、経営理念や社風、働きがい、特徴的な技術等を直接、学生に語りかける場を設けるとともに、県内企業の魅力をじかに感じてもらう企業見学会を実施しております。

 また、これらの取り組みについては、プログラム受講者に限らず、広く工学部の学生に参加を呼びかけ、すぐれた製品や技術を持つ県内企業の魅力を強くアピールしているところであります。

 さらに、県では、県内企業の経営者と山梨大学の教授との意見交換会を開催しておりますが、これに加え、山梨大学のキャリアセンターが実施しておりますインターンシップや企業説明会に、より多くの県内企業が参加できるよう大学へ要請してまいります。

 今後も、こうした県内企業の魅力をアピールする機会をふやすとともに、プログラム受講者の県内企業への就職を一層促進するため、修学奨励金を給付することにより、山梨大学工学部の学生の県内企業への就職を積極的に促進してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



3. インバウンド観光の推進について

(1) 市町村観光ホームページ等の多言語化への支援について

山下政樹  インバウンド観光の推進についてであります。

 五月末に公表された平成二十六年山梨県観光入込客統計調査結果によりますと、山梨県内への観光入り込み客数は三千万人を超え、平成二十五年と比べて一・一%、約三十四万人も増加しています。

 とりわけ、外国人の宿泊者数は前年比九一・三%も伸びており、九十四万二千人と急激に増加しています。

 そうした中で、私の地元、笛吹市を初め峡東エリアにおいても、外国人観光客がふえている実感があります。しかし、余りにも急激に外国人観光客がふえていることから、さまざまな課題が見えてきました。

 まず、市町村や各観光協会の観光ホームページであります。本年二月の地方創生事業により、外国語対応のための改修を始めたところも見受けられますが、なお、日本語の情報のみのページのままであるサイトも多く見られます。

 昨今、ICTの普及に伴い、観光地の現在の状況の確認、交通機関や宿泊の予約、イベント・アトラクション情報の入手など、インターネットを経由して外国人観光客が必要とする情報は、相当な量になると考えられます。

 市町村や各観光協会は、自覚を持って、それぞれのホームページの外国語対応を行うことはもちろんでありますが、県においても、今後、市町村や各観光協会の観光ホームページ等の多言語化に当たり、標記の統一などの支援が必要になるのではないかと思いますが、御所見を伺います。

◯観光部長 山下議員の御質問にお答えします。

 市町村観光ホームページ等の多言語化への支援についてであります。

 多言語表記の統一につきましては、外国人観光客が快適に旅行する上で、大変重要であると考えております。

 このため、これまで国が示した道路や公共交通機関などの多言語化のガイドラインに加えまして、県におきましても、甲州印伝や忍野八海など山梨固有の名称について、現在、独自のガイドラインを作成しているところでございます。

 今後は、これらのガイドラインによる統一的な表記を促進し、市町村観光ホームページ等の多言語化を積極的に支援してまいります。

 



(2) 海外プロモーション活動への支援について

山下政樹 地域の観光の魅力を地元の観光事業者等が直接、有望なインバウンド市場でPRすることも、有効であります。

 山梨県では、タイやマレーシア、インドネシアなどの国際観光展に出展していますが、県内の市町村や観光協会が独自にブースを出し、アピールすることも重要です。

 しかし、費用の問題から、なかなか取り組みが進んでいない状況があり、県の支援が必要と考えます。

 さらに、海外でプロモーション活動や情報発信を行う人材の育成も課題であります。

 人材育成には、多額の資金と時間がかかることは承知していますが、今から始めても遅いことはありません。

 そこで、市町村職員が海外拠点で研修できるような国際人材育成のための新しい研修制度を創設していただきたいと考えます。

 これら、市町村が実施する海外プロモーション活動に対する県の支援について、御所見を伺います。

◯後藤知事 インバウンド観光の推進について幾つかお尋ねをいただいております。

 まず、海外プロモーション活動への支援についてであります。

 県が、海外でトップセールス等を行う際には、県内市町村や観光協会と連携して実施しており、こうした場合、現地の旅行会社を集めた商談会等の経費は、県が負担しております。

 市町村が海外プロモーションに取り組む場合には、まずこうした機会を積極的に活用していただくとともに、独自の取り組みに対しては、現地とのネットワークを生かした情報提供などの支援を行ってまいります。

 また、市町村職員等の国際人材育成のための研修制度の創設については、国際感覚を持つ職員を養成することは、今後のインバウンド観光を推進する上でも大切な視点ですが、市町村等のニーズを踏まえる中で、関係機関と検討してまいりたいと考えております。



(3) 通訳案内士や通訳ボランティアの育成について

山下政樹  外国人観光客の増加に伴う通訳案内士の不足であります。

 かつては、ゴールデンルートをめぐる外国人旅行客が、案内人つきの大型バスで来県するのが当たり前でしたが、最近は家族単位であったり、友人単位や個人で山梨を訪れる観光客が目につきます。こうした観光客が必要とするのが、現地の状況に詳しく、かつ外国語の対応も可能な通訳案内士の方々です。

 しかし、通訳案内士の資格は国家資格であり、高い語学能力や接客能力が求められることから、国家試験に合格することは非常に難しく、有資格者がふえないという課題があるようです。

 そこで、通訳案内士の不足を補完する仕組みとして、外国語による通訳ボランティアを養成し、こうした方々を観光客や観光事業者に紹介することは緊急の課題だと考えます。

 そこで、通訳案内士や通訳ボランティアの育成について、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いします。

 ◯後藤知事 通訳案内士や通訳ボランティアの育成についてであります。

 外国人観光客が山梨の魅力を十分に理解し、満足していただく旅行にするためには、母国語でわかりやすく説明するガイドが必要であります。

 現在、県内では、通訳案内士が六十三名、県が育成した通訳ボランティアが二百名程度、活動しておりますが、外国人観光客の増加が見込まれる中、さらなる通訳案内士などの育成・確保の必要が高まっております。

 このため、県では、通訳案内士向けの研修会を実施するとともに、通訳ボランティアを対象としたセミナーを実施するなど、外国語による観光案内ができる人材の育成に従来以上に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。



(4) 外国人観光客に対する情報提供について

山下政樹  外国人観光客に対する情報提供についてであります。

 山梨を家族や友人と、または個人で訪れる外国人観光客が目につくと先ほど述べましたが、そのほとんどがスマートフォンを利用し、日本での活動に必要な情報を取得していると聞いています。

 これに対応するため、それぞれの国の言葉で山梨までの交通ルートを示し、電車やバス、お勧めの観光スポットを紹介するような外国人誘客ツールが必要であると考えますが、県の御所見をお伺いいたします。

 ◯観光部長 外国人観光客に対する情報提供についてであります。

 首都圏などを訪れる外国人観光客に本県の魅力的な情報を提供し、県内各地を周遊していただくためには、外国人の利用率が高いスマートフォンを活用した情報提供は有効であると考えております。

 このため、現在、空港やホテルから本県までの公共交通機関の路線案内や、県内周遊を促す観光情報を組み込んだスマートフォン向けの観光情報アプリを構築しており、本年度中に運用を開始する予定でおります。

 また、このアプリは、英語、中国語を初め、タイ語やインドネシア語など七言語による情報提供を予定しておりまして、さまざまな国から多くの観光客の誘客につなげてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



山下政樹 それでは、学生の県内企業への就職促進について、再質問をさせていただきます。

 先ほど申し上げましたように、学生の県内企業への就職は余り進んでいないわけでありますが、その原因の一つには、安定した正規雇用の就職先が少ないことがあるのではないでしょうか。

 四月の県内の正社員の有効求人倍率は〇・四七と、四カ月連続して低下しており、景気が回復してきたとはいっても、企業によっては先が見通せず、まだ正規雇用にまで踏み出すことができないことが、反映しているのではないかと思います。

 人口が減少していく中で、学生を初めとする若者が安定した雇用につくことは、人口減少対策の一つにもなるものと考えます。

 そこで、県では、学生の県内就職を促すために正規雇用の拡大に取り組む必要があると思いますが、どのように取り組まれているのか、お伺いいたします。



◯産業労働部長 ただいまの御質問にお答えいたします。

 県では、企業立地や事業拡大等に伴い新たに雇用を創出した事業者に対し、奨励金を支給しておりますが、正規雇用に対し、より手厚く助成することで、正規雇用の拡大を図っております。

 また、医療機器や航空機など、成長分野への本県中小企業の参入を支援し、そうした企業の成長を通じまして、正規雇用の拡大を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。



山下政樹 一生懸命取り組んでいただきたいと思いますけれども、結果が簡単には出ないと思いますので、長期的な展望でしっかりやっていただきたいと思います。

 次に、外国人観光客に対する情報提供についての再質問をいたします。

 外国人観光客に対して、県ではアプリを開発して、必要な観光情報の提供や交通案内等を行うとのことであります。きのうの答弁もいただきました。このような取り組みは、余り他県では例がないと私は思っております。

 都内のホテルのロビーなどで、さまざまな国からの多くの外国人を見かけますが、ホテルの方に伺うと、最近では、同じ部屋に何日か滞在し、その間に東京近郊の観光地を日帰りや一泊で周遊するということが、大変多いと聞いております。

 東京に滞在する外国人を山梨に呼び寄せようとするこの取り組みは、なかなかいいところに目をつけたのではないかなと思いますが、せっかくシステムをつくっても、多くの方々に知っていただいて、当然のごとくダウンロードしていただかなければ、猫に小判みたいなものでございますので、どういうふうに新しくつくるアプリを周知させるのか、最後にお伺いいたします。



◯観光部長 山下議員の外国人観光客に対する情報提供についての再質問にお答えをいたします。

 まず、来日前の外国人に対しましては、事前に本県の観光情報アプリをダウンロードしていただきますよう、日本政府観光局のホームページや、外国人が利用する旅行サイトなどを活用して、PRをしてまいります。

 また、来日した外国人観光客に対しましては、空港やJR主要駅の外国人観光案内所での情報提供や、都内の大手ホテルのコンシェルジュとの連携によりまして、周知に努めてまいります。

 以上でございます。





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