平成15年9月定例県議会 一般質問・答弁要旨
山下 私は、自由民主党の立場から、今定例県議会にて提出されました案件並びに県政一般について質問させていただきます。
 昨年、十二年間の長きにわたりお仕えした衆議院議員堀内光雄代議士の秘書を退職し、本年四月に、多くの皆様より温かい御支援をいただいて、初当選の栄を賜りましたことに、改めてこの場をおかりし、御礼申し上げます。
 現在は、まさに激動の時代と言えます。世界に目を向けると、アメリカ同時多発テロから二年、世界情勢は不安定な状況が続いております。サミュエル・ハンチントンの著した「文明の衝突」が指摘するアラブ世界と先進国との対立問題が、顕在化し始めていると言っても過言ではありません。イスラエル・パレスチナ問題、アフガニスタン、イラクにおける戦争、相次ぐ爆破テロと、世界中の人々の不安は増幅しております。
 私は、改めて世界平和という言葉をかみしめ、議会人となった今、世界の平和、そしてすべての日本国民の願う「平和で安心して暮らせる社会」の実現に邁進する所存であります。
 経済情勢に目を向けると、四から六月期におけるGDPが上方修整されるなど、民間には景気回復の兆しが見え始めようとしています。
 しかし、依然として、国、地方の財政事情は大変厳しい状況に直面しており、少子高齢化に伴う人口構造の変化などの要素はありますが、今年度、国の予算の歳入である約八十一兆円のうち、国債発行は約三十六兆円であり、国の予算の約四五%が借金となっています。家計に例えれば、三十万円の収入で六十万円の生活をしているようなものであり、台所感覚ではとても考えられない状況であります。
 このような状況は、本県においても当てはまり、約八千億円の借金を抱え、財政事情は大変厳しい状況にあります。少しでも次の世代にツケを残さないためには、行財政改革を初め「平成の大改革」の断行が必要であります。
 小泉総理が言われる「改革なくして成長なし」「民間にできることは民間に」との言葉は、まさしく、国だけでなく、我々地方に対する再生のメッセージではないでしょうか。
 国が推し進めようとしている三位一体の改革、そして平成の大合併に伴い、県民を取り巻く環境は大きな変化を余儀なくされようとしています。県民は、政治、行政を今まで以上に生活感覚の目で見ています。
 山本知事におかれましては、山梨県の改革の先駆けとして御活躍いただきますことを念願し、浅学非才の私でありますが、先輩諸議員の御指導をいただきますよう心よりお願い申し上げ、以下、質問に入らせていただきます。

 1.地域振興局の現状における評価と今後のあり方について
山下
 まず、地域振興局の現状における評価と今後のあり方についてお伺いいたします。
 地域振興局は、「地域の課題は地域において迅速に解決すること」「縦割り行政の弊害を排除し、地域行政の総合調整機能を強化すること」「総合行政窓口として県民サービスの機能を向上させること」などといった、迅速かつ総合的な行政サービスの提供を目指して平成十三年四月に設置され、はや二年半が経過しようとしております。
 今後は、市町村合併などの地域課題に対して、県行政の多面的な機能を大いに発揮することが期待されております。
 確かに、本庁から地域振興局に権限が委譲され、組織内分権が進むことで、許可や証明などの事務処理期間の短縮化が図られたこと、パスポートの申請の交付、納税証明書の発行が身近なところでできるようになったことなど、地域振興局は徐々に地域行政のワンストップサービスとして受け入れられ始めています。
 しかしながら、その一方で、地域振興局は「屋上屋」を重ねた上、以前に比べてどこで何をしているのかわかりにくくなったという批判の声が聞かれるのも事実であります。
 地域振興局が将来にわたり地域に有益で機能的な組織となるためには、現状を再度見つめ直し、評価し、改善すべき点は速やかに改善していくことが必要ではないでしょうか。
 そこで、現状の地域振興局について、設置以前の組織体制と比較すると、どのように現状を評価しているのか、また、市町村合併の進展など、設置当初に比べて社会情勢は大きく変化しておりますが、それに対応すべく今後の地域振興局をどのように改善すべきとお考えなのかお伺いいたします。

山本知事 山下議員の御質問にお答えいたします。
 ただいまは、アメリカ同時多発テロ以降の不安定な世界情勢に触れられ、「平和で安心して暮らせる社会」の実現に向けて邁進するとの決意を披瀝されるとともに、国、地方の行財政改革の必要性について言及をされながら、県政各般にわたり御質問をいただきました。
 私は、行財政改革を積極的に推進し、新しい時代にふさわしい行財政システムを確立してまいりたいと考えておりますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、地域振興局の現状における評価と今後のあり方についてであります。
 地域振興局は、「地域即決」のコンセプトのもと、地域振興の中核的総合出先機関として、県下五地域に設置したものであります。
 現在、各地域振興局では、定期的に地域政策会議等を開催し、地域の課題に対する情報の収集や、市町村や部をまたがる事案の調整を行うとともに、地域の特性を生かした振興局独自の事業を実施するなど、以前の単独事務所時代に比べ、総合的で迅速な対応が行われているところであります。
 また、県民サービスの面におきましても、振興局限りで手続が完結できるよう、設置当初から現在まで権限移譲を積極的に進めているほか、パスポートや納税証明書の取り扱いにつきましても、着実に実績を上げており、振興局は順調に定着してきております。
 しかしながら、地域振興局の多くは複数の庁舎に機能が分散しているなど、本来の目的を十分発揮するためには検討すべき課題があることも、また事実であります。
 地域振興局の今後につきましては、行財政改革委員会の報告書の中でも「市町村合併の状況を踏まえ、その組織等のあり方の見直しが必要である」との御意見をいただいておりますので、市町村合併に対応した機能や所管区域の見直し、電子自治体の構築による事務事業への影響など、新たな課題とあわせ、検討を行っていきたいと考えております。
 
 2.人事管理・人事評価のあり方について
山下
 次に、人事管理・人事評価のあり方についてお伺いいたします。
 一昨年十二月に閣議決定された「公務員制度改革大綱」に基づき、公務員制度は大きく変わろうとしております。能力等級制を導入し、これまでの年功序列による横並びの人事管理を廃止して、能力・業績を重視した人事管理にしようという改革であります。
 この改革の理念である能力・業績主義の導入や、計画的に優秀な人材を育成することは、今や国及び地方における共通の認識であります。近い将来、大綱に即した形で法改正がされるべきであると考えます。
 公務員制度をめぐるこうした潮流を踏まえると、今、県職員に一番求められているのは、変化の激しい時代に、また、何が起こるかわからない時代において、先例のない課題に果敢に挑戦し、解決していく能力ではないでしょうか。
 こうした能力を持った職員がどんどん育ってくるような「地方主権時代をリードする人づくり戦略」、これこそが必要不可欠と考えます。
 そのためには、年功序列による人事管理から、能力・業績による人事管理へと移行する必要があります。すなわち、職員が職務を通じてお互いを高め、民間に近い競争原理を働かせて切磋琢磨し合う中で、能力・業績主義に基づく適材適所の人事配置、処遇、職員の能力開発などを促進することであります。
 各職員の持てる能力を把握し、それをどのように発揮させ、どういった業績を上げたのかを正しく評価する手法を確立すること、透明かつ公平で、職員の多くが評価結果に納得できるものとすることなどに留意しながら、県庁改革の要となる新たな人事評価制度をできるだけ早く創設すべきであると考えますが、どのようにお考えかお伺いいたします。

山本知事 次に、人事管理・人事評価のあり方についてであります。
 県行政の担い手である県職員が、その持てる能力を最大限発揮し、質の高い行政サービスを提供することができるよう、人事制度を見直すことは重要であると考えております。
 人事評価制度につきましては、行財政改革委員会において御論議をいただき、過日、「職員の意欲や士気を高揚し、公務運営の活性化を図るためには、能力・実績や行動特性を重視した人事評価を行うべきである」との報告をいただいているところであります。
 「年功序列による人事管理から能力・業績による人事管理へ移行すべきである」という御意見は、まさにこの報告と同じ考え方に立つものであります。
 今後、国の公務員制度改革の内容を視野に入れながら、能力・実績を適正に評価し、昇進管理等の人事管理に活用できる新たな人事評価制度について、検討してまいりたいと考えております。

 3.政策アセスメントについて
山下
 次に、政策アセスメントについてお伺いいたします。
 長引く景気の低迷により県税収入が落ち込むなど厳しい財政環境の中、限られた財源の重点的・効率的配分を行うことが求められています。また、行政の推進に当たっては、成果を重視した取り組みや、住民への説明責任の徹底を図ることも必要であります。
 このためには、施策や事務事業がどのような目的のもとに実施され、どのような効果を上げているのかしっかりと検証する必要があり、政策アセスメントの充実を図ることが必要であります。
 総務省の調査によれば、昨年七月末時点の全国の自治体における政策評価の導入状況は、都道府県は一県を除いてすべて導入、政令市はすべて、またその他の市区町村でも導入済みや試行中が五百団体を超えており、地方自治体における政策評価の重要性が浸透してきている状況であります。
 こうした中、本県においても、平成十一年度からの二年間にわたる試行を経て、政策アセスメントが本格的に実施されておりますが、まず、平成十一年度から実施した政策アセスメントは、どのような結果であったのかお伺いいたします。
 また、政策アセスメントは、各施策を実現するための手段としての個々の事務事業レベルでの評価にとどまっているため、施策レベルでの成果がわかりにくいという問題点が指摘されています。
 このため、県は、事務事業評価に加えて、本年度から施策評価の試行を実施しているところですが、どのような観点から試行に取り組んでいるのか、重ねてお伺いいたします。
 さらに、せっかくきちっとした評価制度を確立しても、評価結果が次の政策の決定過程に反映されなくては実効性が担保されたとは言えません。政策アセスメントの成果をどのように長期計画や予算編成過程に反映させていくのかお伺いいたします。

 山本知事 次に、政策アセスメントについてであります。
 本県においては、成果を重視した行政の推進、県民への説明責任の徹底などを図るため、平成十一年度から政策アセスメントを導入し、それぞれの事業について、その成果や効率性等を評価し、必要な見直し等を行ってきました。三年間で対象事業のすべてを実施することとし、平成十四年度までに七百七十二事業の評価を実施いたしました。
 その結果、三百三十八事業について廃止、統合、縮小、実施方法の変更などの見直しを行うとともに、予算面でも十億一千万円余の改善を図ったところであります。
 一方、外部の有識者で構成する政策アセスメント委員会からは、現行の評価手法は個々の事業を評価しているため、施策レベルでどのような成果が上がっているのか、その検証が必ずしも十分ではないとの御指摘もいただいております。
 こうしたことを踏まえまして、本年度からは、施策を構成する各事業が、施策目的を達成する有効な手段となっているか否かを評価するため、施策内の複数の事業間の優先順位や、効果的・効率的な事業構成を判断するための施策評価を新たに試行することといたしました。
 本年度の試行は、「男女共同参画社会の推進」と「子育て支援社会の推進」の二分野を対象として取り組んでおり、関係課による内部評価を進めるとともに、施策アセスメント委員会に外部評価を依頼し、評価の仕組みや有効な成果指標等について検討をいただいているところであります。
 この試行を踏まえまして、施策評価の本格的導入に向け、長期計画との連携や、年度の早い時期に前年度事業の評価を行い、予算に反映させる新たな予算編成システムのあり方などについて検討を進め、政策アセスメントの実効性を一層確保してまいりたいと考えております。

4.県庁舎のバリアフリー化について
山下
 次に、県庁舎のバリアフリー化についてお伺いいたします。
 高齢化社会の急速な進展やノーマライゼーションの理念の浸透により、高齢者や障害のある方が生きがいを持って幸せに暮らすことができる環境の整備が求められています。
 県におきましても、「健康長寿やまなしプラン」や「山梨県障害者幸住計画」を実現し、高齢者や障害のある方に優しい社会を具現化するための各種の施設整備が着々と行われていることに対しては、一定の評価をするものであります。
 しかしながら、「県民に開かれた県庁」という視点で再度県庁舎を見てみると、本当に県民に望ましい整備がなされているのか疑問が残ります。
 確かに、県庁本館については、平成十三年度から十四年度にわたって、多くの県民の皆様が利用しやすいように、段差を少なくしたり、エレベーターを改善したりと、バリアフリー化として各所の改善がなされてきました。
 しかし、同じ本庁の敷地内にある別館については、歴史的な建物とはいえ、エレベーターも設置されておらず、高齢者や障害のある方に配慮した建物とは到底思えない状況にあります。
 また、県内各地の合同庁舎についても、一部に同様の状況が見られることは極めて残念なことです。
 県庁舎は、県政推進の重要な拠点であります。県職員にとって働きやすい環境であることはもとより、訪れる方々にとって利用しやすい施設でなければなりません。また、今後、山梨県が県民に開かれた県庁を目指すのであれば、より一層さまざまな方々が県庁を訪れるはずです。
 このような点からも、県庁舎のバリアフリー化について推進していく必要性は明らかなはずです。
 そこで、今後、どのような方針で県庁舎のバリアフリー化を進めていくのか、その方針をお伺いいたします。

 総務部長 山下議員の御質問にお答えいたします。
 まず、県庁舎のバリアフリー化についてであります。
 県庁舎につきましては、県民の皆さんが利用しやすい建物を目指して、順次、施設整備の改善に努めてきたところです。
 県庁舎本館の免震リニューアルの工事においては、エレベーターの間口の改善、点字操作盤・音声案内の設置を初め、多機能トイレの増設や滑りにくい床材の採用、視覚障害者用の音声誘導システムの設置、案内カウンターの車いす対応などを行いました。
 また、最近建設された合同庁舎には、スロープ、身障者対応トイレなどを整備するとともに、エレベーターも設置しております。
 別館につきましては、階段への手すりやスロープの設置、入り口付近に内線電話やインターホンの設置を行うなど、高齢者や障害者の方にも不便のないよう、できる限りの改善を進めてきたところですが、歴史的な建造物でもありますので、大規模な改造を行うには、将来の活用計画を策定した上で取り組む必要があると考えております。
 したがいまして、県庁舎のバリアフリー化につきましては、今後、県庁舎整備のあり方を検討していく中で、ユニバーサルデザインに配慮しながら、すべての来庁舎の皆さんが安全で安心して利用できる建物を目指して取り組んでまいりたいと考えております。

5.住民基本台帳ネットワークについて
山下
 次に、住民基本台帳ネットワークについてお伺いいたします。
 本年八月二十五日、住民基本台帳ネットワークが本格稼動し、全国どこの市町村でも自分の住民票の写しがとれる広域交付や、ICを内蔵した住民基本台帳カードの交付による本人確認の新たな手段の確立など、電子自治体に向けて画期的な第一歩が踏み出されました。
 住民基本台帳ネットワークは、いつでも、どこでも、役所に行かずに、パソコンとインターネットを通じて行政サービスを受けることのできる電子自治体を構築するための基盤整備であります。
 しかし、情報化社会において、利便性とは裏腹に、情報の漏えい等のセキュリティに大きな危険性をはらんでおります。
 一部の自治体などにおいては、セキュリティ対策をめぐりさまざまな論議がなされ、個人情報の漏えいや改ざん、他人の成り済ましなど危惧する声も聞かれます。
 さらに、住民基本台帳ネットワークは、県民の利便性を高めるとともに、利便性が高まるほど個人の情報が公的機関の管理するネットワークに集中することから、個人情報の観点からも万全のセキュリティ対策が講じられなければなりません。
 住民基本台帳ネットワークを県民が安心して利便性を追求できるシステムとするため、どのようなセキュリティ対策が行われているのか、また、県としても、安全性についてさらに周知を図る必要があると考えますが、どのようにお考えかお伺いいたします。

 総務部長 次に、住民基本台帳ネットワークについてであります。
 住民基本台帳ネットワークは、電子政府・電子自治体を実現するための基盤となるシステムであり、県民の個人情報を扱うことから、そのセキュリティ対策は極めて重要です。
 このため、技術、制度の両面において、さまざまな対策が講ぜられております。
 まず、技術面においては、不正アクセス等を排除するための装置の設置や、ネットワークの二十四時間監視など、現在とり得る最高のセキュリティ対策を行っています。
 また、制度の運用においても、関係職員や受託事業者に対し厳重な守秘義務を課すとともに、市町村職員を対象にセキュリティ研修を実施するなど、万全の対策を講じております。
 こうした中で、昨年八月の一次稼動以来、現在まで、個人情報の漏えいや不正アクセス等の問題もなく、順調に稼動しているところです。
 さらに、これらのセキュリティ対策について、今後、外部監査を実施するなど、システム運営に万全を期してまいりたいと考えています。
 また、県民の皆様にシステムの安全性や有用性を十分理解していただくため、市町村における広報などを一層進めるとともに、県のホームページや広報紙などを通じ、積極的に周知してまいりたいと考えております。
 以上であります。

6.事業主及び障害のある方に対する具体的支援策について
山下
 次に、障害のある方の雇用の促進についてであります。
 まず、事業主及び障害のある方に対する具体的支援策についてお伺いいたします。
 ノーマライゼーションの意識の浸透に伴い、昨今、障害がありながらも、自立と社会参加を目指して就職を希望する方々が増加しています。
 このような希望を実現するために、障害のある方の職場の拡大を図り、総合支援の充実を図ることを趣旨とした「障害者の雇用の促進等に関する法律」の一部が、昨年五月に改正されたところであります。
 しかしながら、長引く不況と厳しい雇用情勢が続く中で、障害のある方の就職は、まことに厳しいものがあります。
 特に、一般企業への就職は、受け入れる企業側の理解を得ることが最も重要であり、法定の障害のある方の雇用率が一・八%なのに対して、本県においては、雇用率が一・四八%と低率であることを見ても、十分な理解があるとは言えません。
 そこで、県では、障害のある方の雇用の拡大を実現するために、事業主及び障害のある方に対してどのような支援策をとられているのかお伺いいたします。

福商工労働観光部長 山下議員の事業主及び障害のある方に対する具体的支援策についての御質問にお答えをいたします。
 障害を持つ方の雇用や就業は、自立と社会参加のための重要な柱であります。
 県では、障害を持つ方の雇用の促進について、事業主を初め県民の理解と関心を深めるため、県障害者雇用促進協会と連携して「雇用啓発キャンペーン」や「雇用優良事業所等の表彰」などを行ってきております。
 また、事業主に対する支援策といたしましては、国の各種支援制度に加えまして、県単独として、重度障害者等を雇用する事業主に「雇用促進助成金」を支給するとともに、「雇用促進等支援融資」制度を設けております。
 さらに、障害を持つ方の就職を容易にするため、事業主に「職場適応訓練」を委託いたしますとともに、訓練受講者には「職業訓練手当」の支給を行っております。
 今後も、山梨労働局を初め関係機関と連携しながら、これらの制度の一層の活用促進を図るとともに、経済団体などへの雇用要請を行い、障害を持つ方の雇用の場の確保に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

7.小規模作業所などの通所型施設の充実について
山下
 次に、小規模作業所などの通所型施設の充実についてお伺いいたします。
 障害があるために一般企業への就職が困難な方の多くは、授産施設や小規模作業所において、自立する道を求めて自助努力を重ねているところです。
 しかしながら、授産施設は、入所施設としての性格を有するものでもあり、そこでの日常生活は地域から切り離されたものとなりがちです。ノーマライゼーションの理念を具現化するためには、障害のある方が地域で生活しながら、自分に適した仕事を見つけて働けるような環境づくりという視点が重要であります。
 具体的には、小規模作業所など通所型の施設をさらにふやしていくこととともに、これらに対する県の積極的な支援を行っていくことが必要であると考えますが、どのようにお考えなのかお伺いいたします。

 福祉保健部長 山下議員の御質問にお答えいたします。
 まず、小規模作業所などの通所型施設の充実についてであります。
 心身に障害を持つ人が地域で豊かな生活を送るためには、技能を習得して自立への道を開くことが大事であります。
 このため、「やまなし障害者プラン」に基づき、通所型の小規模作業所や授産施設などの整備を進めてまいりました。この結果、通所型施設の定員は、目標数を上回る九百九十六人になっております。
 今後の整備数につきましては、障害を持つ人へのアンケート調査や市町村からの聞き取り調査などにより必要数を把握し、本年度策定する「新たな障害者プラン」に整備目標数を設定してまいりたいと考えております。
 また、通所型施設の経営の安定を図るため、社会福祉法人が行う授産施設につきましては、国の助成制度を活用しながら施設運営を支援してまいります。
 さらに、小規模作業所につきましても、施設運営に対し県が単独補助により助成しております。
 また、通所型施設の経営基盤の強化を図るため、新商品の開発や直売店の設置などに助成をしております。
 これらの取り組みを通じ、障害を持つ人が地域で個性ある自立生活を送れるように支援してまいりたいと考えております。

8.子育て支援について
山下
 次に、子育て支援についてお伺いいたします。
 少子化が急速に進行する状況において、ますます「民は国の宝」であり、幼児及び保護者の視点に立った育児支援策の検討が必要であると考えます。
 そこで、まず、小児救急医療についてお伺いいたします。
 近年、核家族化・都市化の進展、女性の社会進出の増大など、児童を取り巻く環境は大きく変化しております。
 従来から、子育ては、家庭内はもちろん、近隣社会の協力、支援に基づいてきましたが、このような環境の変化の中で、働く親が安心して子育てをできるような支援体制は、まだまだ十分ではないと考えます。
 特に、病気などに対する抵抗力の弱い子供は、突然病気にかかったり、病状が悪化したりということが起こり得ることから、核家族化・少子化に伴い、子育て経験の少ない親にとって、夜間・休日を問わず適切な措置を施すことのできる医療体制を整備することが必要であります。
 そこで、親の不安及び負担を軽減するために、夜間・休日を問わない小児救急医療体制を早急に整備する必要があると考えますが、どのようにお考えかお伺いいたします。

 福祉保健部長 次に、子育て支援についてお尋ねをいただいております。
 まず、小児救急医療についてであります。
 本県の小児救急医療体制のあり方につきましては、現在、開業医や病院勤務医の代表などで構成する「小児救急医療体制検討委員会」で御検討をいただいているところであります。
 実施方式につきましては、症状の軽い患者への初期救急は、センターを設置して、小児科の開業医や病院勤務医が交代出務で診察するとともに、重症患者への二次救急は、小児科を有する複数の病院による輪番制で診察するという案を中心に検討しております。
 しかしながら、小児救急医療を実施するに当たっては、幾つかの課題があります。
 まず、初期救急、二次救急とも、休日及び夜間を通して診察することが望ましいものの、小児科医が少ない中で、初期救急の夜間、特に深夜帯を担当する小児科医をどのように確保するのか、また、初期救急センターについては、既存の施設の活用が可能か、その設置・運営の主体はどこが望ましいのかなどの課題であります。
 これらの課題についてさらに検討を重ねていただき、できるだけ早期に県民の期待にこたえられるような小児救急体制を整備してまいりたいと考えております。
 
9.休日・夜間保育について
山下
 次に、休日・夜間保育についてお伺いいたします。
 夫婦共稼ぎが一般化してきたため、働きながら子育てをする家庭がふえております。今後は、仕事と育児の両立を支援する施策のより一層の充実が求められております。
 具体的には、保護者が残業等で遅くなるときや、勤務の体制によっては深夜または休日勤務が必要となる仕事など、保護者のニーズに合わせた休日及び夜間保育など、働く親を側面支援するものであるはずです。
 そこで、こうした休日・夜間保育について、時間的、場所的な拡充を図るべきであると考えますが、どのようにお考えかお伺いいたします。
 
福祉保健部長 次に、休日・夜間保育についてであります。
 本県の休日及び夜間保育の現状は、認可保育所における休日保育が、甲府市内の一カ所で一日平均六名、また午後十時までの夜間保育が、甲府市内の一カ所でおおむね五名程度となっております。このほか、看護師等特定の利用者を対象とした病院内保育施設においても、県下全域の十カ所で休日や夜間における保育が行われているところであります。
 これらの休日及び夜間保育は、市町村や病院などが実施主体でありますが、それぞれ国庫補助の対象であり、また県においても、経費の一部を助成しております。
 今後も、市町村等に対し、夜間保育における午後十時以降の時間延長を含め、夜間や休日に勤務を要する保護者のニーズを把握し、的確に対応できるよう支援してまいりたいと考えております。
 以上であります。

10.山梨県産品のPRについて
山下
 次に、山梨県産品のPRについてお伺いいたします。
 「山梨県」は、次期読売巨人軍の監督に就任することとなりました堀内恒夫さんを初め、現代文学界における林真理子さんなど、各界を代表する人物を輩出してまいりました。
 しかしながら、こうした事実はあまり知られておりません。著名人の出身県としての知名度に限らず、本県は「山梨県」を前面に打ち出すことにたけていないように思われます。
 このため、全国的に見ると本県の認知度は低く、観光立県、フルーツ王国としては、まことに不名誉なことであります。このような低い認知度を改善するには、山梨県の誇る農産物、地場産品、観光資源といった限られた資源を、従来の垣根を越えて連携を図り、製造から販売までの流れを一貫して検討するなど、山梨県らしい産業展開の方向性を提示する試みが必要だと考えます。
 つまり、知事が公約に掲げる山梨ブランドを確立し、山梨県を全国に発信していくための具体的な戦略が必要とされているのであります。
 そこで、まず、山梨県の誇る農産物についてお伺いいたします。
 本県が全国に発信できるものに八珍果と称される高品質の果実の生産が上げられます。
 先人のたゆまぬ努力と恵まれた自然条件を生かして、桃、ぶどう、スモモなどは、耕地面積、生産量とも日本一で、二番に位置する他県と比べても二倍以上の格差があります。本県の群を抜く果実の生産状況は、まさに従来から特色ある農業経営を築いてきた成果と言えるでしょう。
 このことは、私が、先般の東京・大田市場の視察の際、市場関係者との懇談会においても、本県産の農産物、とりわけ果実に対する市場の評価は極めて高く、今後に対する期待感は大変大きなものがあると確信を持ったことにも一致いたします。
 しかしながら、一般消費者には、桃といえば岡山といったように、他県の競合産地の方が知名度が高いことは、残念ながら事実であります。
 このような状況を踏まえ、本県産の農産物の知名度を高め、より一層の販路拡大を図っていくためには、これまで以上に県産農産物の消費宣伝活動を充実させていく必要があると考えます。
 今後、県産農産物のブランド化を図り、販売戦略をどのように進めていくのかお伺いいたします。

山本知事 次に、山梨県産品のPRについてでございます。幾つかお尋ねをいただいております。
 まず、農産物についてであります。
 先般、都内で農業団体と実施した「山梨県青果物市場懇談会」において、京浜地区の市場関係者から、県産果実を中心に山梨に大きな期待が寄せられた一方、効果的な宣伝の必要性についての御意見をいただいたところであります。
 現在、農産物の宣伝活動としては、「山梨県農産物インフォメーションセンター」や「山梨県農畜産物販売強化対策協議会」において、都内などで物産展や電車の中づり広告、主要都市を中心とした消費宣伝キャラバンなどを行っているところであります。
 しかしながら、新たに台頭した他県産地との競争や、安全・安心の農産物を求める消費者ニーズに対応するため、一層、県産農産物の宣伝活動を工夫していく必要があります。
 このため、先般開催された「やまなしブランド化推進会議」において、恵まれた自然や立地条件を生かした、高品質で、信頼される農産物の生産に努め、産地のイメージや知名度のアップを図るとともに、県産農産物に対する評価や期待度を把握するため、首都圏の消費者に対し調査を行うことなどが提案されました。
 今後は、こういった提案を踏まえまして、新たな視点に立った県産農産物のブランド化の具体的施策を構築し、生産者、農業団体、流通業者と一体となり、フルーツ王国山梨にふさわしい販売戦略を促進してまいります。

 11.地場産品について
山下
 次に、地場産品についてお伺いいたします。
 過日、私は、友人から、東京の知人に贈り物として印伝の財布を送ったところ、大変喜ばれ、こういうものが山梨県の地場産品であることに驚いていたという話を聞きました。
 このように、本県は、ワイン、宝石を初めとし、誇れる地場産品があるにもかかわらず、その知名度が低いことから、農産物と同様に、販売の促進につながっていないと言えます。
 そこで、本県産の地場産品について、山梨ブランドを確立するためにも、地場産品の特色やすばらしさを県内外の多くの消費者にPRする必要があります。そこで、本県の地場産品をどのようにPRしていくのかお伺いいたします。
 
山本知事 最後に、地場産品についてであります。
 本県の地場産品の魅力を広くPRしていくことは、地場産業の振興を図る上で極めて重要であります。
 これまで、名古屋、大阪などでの物産展の開催、海外での繊維総合見本市への出展、東京・日比谷などでの新酒ワイン祭り、ジュエリーファクトリーセールなどを通じ、地場産品のPRや販路拡大に努めてまいりました。
 本年度は、こうした事業に加えまして、東京インターナショナルギフトショーへの出展や、地場産業の歴史や特徴をホームページなどで紹介する地場産業PR事業などを実施してまいります。
 また、「山梨ブランド推進懇話会」において、地場産品の効果的なPRについて御意見をいただくこととしております。
 今後は、業界相互の連携による取り組みなども工夫を凝らして、本県の地場産品を県内外に強くPRしてまいりたいと考えております。
 以上をもちまして私の答弁といたします。その他につきましては、担当の部長から答弁いたします。

12.青少年を取り巻く環境の浄化について
山下
 次に、青少年を取り巻く環境の浄化についてお伺いいたします。
 次世代を担う青少年を健全に育成していくことは、我が国の将来の発展にとって不可欠であります。
 このためにも、青少年を取り巻く社会環境を健全なものとしなければなりません。さらに、青少年がどのような社会環境の中で、どのような影響を受けながら育っているのかについて、日ごろから関心を持ち、青少年の心と体が健やかに成長するため、よりよい社会環境を築いていくことは、大人の責任ではないでしょうか。
 最近、県内だけでも三十四カ所にも及ぶ有害図書やビデオ等を販売する、いわゆる成人向けの自動販売機が設置されているのは憂慮すべきことです。こうした自動販売機は、青少年の好奇心をあおり、性や暴力などの価値観の形成に悪影響を及ぼすなど、健全な精神の育成を阻害するさまざまな影響が懸念されています。
 青少年を取り巻く有害社会環境の適正化を図るため、本県では、これまでPTA、自治会などの地域住民が主体となって、有害図書を買わない、見せない、置かないの三ない運動を推進してきました。
 また、平成八年には「青少年保護育成のための環境浄化に関する条例」を見直し、有害図書類を個別に審査認定するのではなく、機械的に有害図書を認定することで有害図書の取り締まりを強化する等、有害図書に対する対策が進められてきました。
 しかしながら、青少年の育成に適した環境づくりのツールを用意しても、依然として、園芸高校周辺を初めとして、県内の各地にこのような有害図書を扱う自動販売機が設置されている現実があります。このことは、地域住民だけではなく、県民全体の問題であります。
 ついては、県内における有害図書等を販売する自動販売機の現状はどうなっているのか、また、学校周辺に設置される自動販売機を撤去するための実効的な対策は検討できないのかお伺いいたします。
 また、さらに一歩踏み込んで、従来の条例を強化することを初め、新たな対応策を検討することはできないのか、重ねてお伺いいたします。
 
県民室長 山下議員の青少年を取り巻く環境の浄化についての御質問にお答えいたします。
 山梨の未来を担う青少年が、よりよい環境の中で、創造性を培い、健やかに、たくましく成長することは、県民すべての願いであります。
 こうした考えのもと、青少年育成山梨県民会議等と連携して、青少年の非行問題に取り組む県民大会、青少年社会環境健全化推進キャンペーン、有害図書類の指定など、各般の事業を展開し、青少年の健全育成に努めております。
 しかしながら、成人向けの図書類等の自動販売機は、県内十九市町村に九十九台設置されている現状であります。
 また、「青少年保護育成のための環境浄化に関する条例」では、学校等の敷地の周囲二百メートル以内の区域に設置する自動販売機には、有害な図書類等を収納しないよう努めなければならないと規定しておりますが、園芸高校周辺に、本年四月、三台が設置されました。
 このため、立ち入り調査の実施、有害図書類等の指定と撤去命令、再度収納しないことの現地指導、地元PTAや警察、青少年関係団体との対策会議の開催などに取り組んでまいりました。
 さらに、実効性あるものとするためには、これらの対応を引き続き進めていくとともに、家庭や学校など、地域ぐるみで自動販売機の撤去を求める県民運動として取り組むことが必要であると考えております。
 また、条例の見直しにつきましては、国や他の都道府県の規制の動向に注視しながら検討を進めてまいります。
 今後とも、県民の皆さんと一体となって、青少年を取り巻く環境の浄化を積極的に推進してまいります。
 以上でございます。

13.下水道事業の整備促進について
山下
 最後に、下水道事業の整備促進についてお伺いいたします。
 下水道は、生活環境の改善や公共用水域の水質保全を目的とするものであり、山梨県の環境、ひいては地球環境の保全のために必要不可欠の施設であり、早急に整備すべきものであります。
 さて、本県の下水道整備事業は、現在、急ピッチで進められておりますが、下水道の普及率は、全国平均と比べても大きく下回っている状況であり、今後の整備拡大に大いに期待が寄せられているところです。
 下水道が整備された場所に行くと、周辺の河川や側溝がきれいになり、臭気の発生が少なくなってきているという声をよく耳にし、改善の状況及びその必要性が大変重要であります。
 しかし、このような高い事業効果を見込むことのできる下水道整備には、多額の費用と時間がかかり、財政基盤の弱小な市町村にとっては、補助金に頼らざるを得ない状況です。
 国の「経済財政運営の基本方針」では、補助金の縮減など非常に厳しい改革がなされようとしており、本県における下水道整備のスピードが落ちるのではないかという懸念をしております。
 そこで、現在取り組んでいる下水道の整備状況と、今後の下水道整備の考え方についてお伺いいたします。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。

土木部長 山下議員の下水道事業の整備促進についての御質問にお答えいたします。
 下水道は、県民生活の向上及びよりよい生活環境の実現に向けて、欠くことのできないものであります。
 本県の下水道事業は、富士北麓など四つの流域下水道を中心に、現在四十九の市町村が実施しています。
 平成十四年度末の本県の下水道普及率は四六・四%で、前年度に比べ二・九ポイントの増と、全国の伸び率を上回っているものの、全国平均の六五・二%と比べて、まだまだ低い状況にあり、下水道の整備促進は重要な課題であります。
 こうした中で、県では、公共下水道普及促進費補助金制度や、一定要件を満たす過疎町村にかわり県が主要な施設の建設を行う県代行制度など、市町村の負担の軽減となる支援を行い、その普及の促進を図っております。
 また、県と市町村が一体となり、コスト縮減に取り組むとともに、国に対しては、補助対象範囲の拡大などの要望活動も行っております。
 今後も、多くの県民が一日も早く下水道を使用でき、あわせて公共用水域の水質改善に資するよう、県としても下水道の整備に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 以上であります。


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