平成18年2月定例県議会 一般質問・答弁要旨
山下 私は、自民党政和会の立場から、今定例会に提出されました案件並びに県政一般について質問させていただきます。
 勉強して、よい大学に入り、銀行や証券会社などの大企業に就職し、終身雇用で安定した暮らしを送るという幸せのレールは、バブルの崩壊とともに、もろくも崩れ去りました。
 本来、企業体質の転換を意味するはずのリストラクチャリングは、大企業が雇用調整をするための合い言葉となり、銀行の貸し渋りや大企業の受注の減少により、中小企業を倒産の波が襲いました。
 日本経済の停滞が残した傷跡は、景気が回復に向かう今にあっても、多くの影響を残しています。その最大の問題は、若者が目標を喪失していることであります。二〇〇五年版労働経済白書によると、フリーターは二百十三万人、そして、ニートと呼ばれる若者は六十四万人にも上ります。
 高度経済成長以来の神話は崩れ去り、経済の豊かさばかりを求め続けた世代の子供たちは、親とは違う新たな価値観を見つけ出せないでいるのではないでしょうか。将来を担う若者たちの豊かな人間性をはぐくんでいくことこそが、ますます大切になっています。
 山本知事におかれましては、「かがやき30プラン」の導入を初めとする「明日を拓く人づくり」、また、ジョブカフェやまなしの開設などの若者就業支援、さらには、新たな学習拠点の整備を進められるなど、目標を抱いて力強く生きる力を持った人づくりに総合的に取り組んでおり、高く評価するものであります。今後も、大いに御尽力いただくことに期待し、以下質問に入ります。
 
1.観光振興について
山下
 初めに、観光振興についてお伺いいたします。
 私は観光振興を推進するに当たり、行政と民間との役割分担を明確にしつつ、両者が協働することが重要と考えます。
 国際観光分野における県の観光キャラバン隊や海外旅行関係者の招聘事業は、県が関与することで、中国等、相手国の関係行政機関を通じて、その国の大手旅行業者と本県観光事業者との商談会を設定し、ひいては、民間事業者の間でビジネスが展開していく動きをつくり出しており、まさに役割分担と協働の一つのモデルと言えます。
 石和温泉組合でも、七月に県のキャラバン隊に参加し、中国の大連を代表する旅行会社との関係を構築することで、現地での新聞広告の掲載やツアーメニューの設定に成功しております。二月の春節時に石和温泉への宿泊客をお迎えするなど、具体的な成果を上げ始めており、今後は民間事業者が宿泊客数の拡大を図り、リピーターの確保に努めていくことになります。
 知事直轄の観光部の新設には、このように「行政がコーディネーターとしての役割を発揮し、民間と行政とが協働していく」というメッセージが込められていると考えており、民間事業者もこうした趣旨を理解し、成果が上げられつつあると感じています。
 そこで、ITを活用した観光振興への取り組みについてであります。
 観光は、世の中の動きにも敏感でなければなりません。近年は、インターネット利用人口は八千万人に達し、このうち八割が、観光スポットやおみやげ店などの観光情報の収集に利用していることを考えると、パソコンや携帯電話などのITの普及に迅速に対応していく必要があります。
 このため、官と民の役割分担を踏まえた上で、ITを活用し、努力する民間事業者が観光客の目にとまりやすくなるような情報発信の仕組みが必要であります。また、今後、増加が見込まれる観光客のもてなしの一環として、携帯電話などを使って、いつでも、どこでも、手軽に観光情報を入手できるような方法も必要と考えます。
 そこで、こうしたITを活用した具体的な観光振興への取り組みについてお伺いいたします。
 
観光部長 山下議員のITを活用した観光振興への取り組みについての御質問にお答えをいたします。
 近年、IT技術の目覚ましい進展により、観光を初め、日常生活に直結した情報の発信や収集についても、インターネットや携帯電話、DVDといった手段が広く普及してきています。
 そこで、IT技術を活用し、積極的に情報の発信に努める民間事業者が、より一層、観光客の目に触れる機会が確保できるよう、来年度は「富士の国やまなし観光ネット」のホームページ上に、バナー広告等を公募し、掲載することとしました。
 この広告掲載により得た収入を財源として、携帯電話を活用した「いつでも、どこでも、観光情報を画像と音声で手軽に入手できるサービス」を提供していきます。
 また、本県の魅力ある観光資源を最新の美しい映像で紹介するDVDを中国語など四カ国語で制作し、旅行業者を初め観光関係者に手軽に本県イメージを伝えることで、誘客につなげていきます。
 今後とも、民間事業者と協働して、インターネット等による情報発信の強化を進め、効率的な宣伝とともに、観光客の一層の利便性の向上やおもてなしの充実に努めていきます。
 以上でございます。

2.新たなライフスタイルに対応した観光振興について
山下
 次に、新たなライフスタイルに対応した観光振興についてであります。
 時代は人口減少社会の到来など大きな変革期を迎え、団塊の世代が定年退職を迎えるいわゆる二〇〇七年問題や、今後急激に拡大するとされる二地域居住への対応など、観光を取り巻く環境も急激に変化しており、新たな取り組みが必要となっています。
 本県は、首都圏に位置するという地理的優位性に加えて、富士山や南アルプス、八ヶ岳を初めとする豊かな自然や、先人たちの残した固有の歴史や文化、桃源郷と称される桃の花の農山村景観やみずみずしい果物など、多様で旬の魅力にあふれた心のいやされる農山村地域と全国に誇れる温泉郷を有しており、新たな観光需要の増加は、こうした本県の特性を生かす大きなチャンスとなると言えます。
 県内各地に繰り返し訪れ、旬の魅力を楽しみ、そして、山梨での暮らしが始まり、やがては農山村地域での本格的定住へと進む。この好機に、このようなシナリオを現実のものとするための具体策が必要だろうと考えています。
 県外からの新たな住民との交流は、大きな経済波及効果を生むばかりでなく、都市住民の有する多様な知識や知恵がもたらされ、地域の活性化への新たなうねりとなることが期待されます。
 今後、これらの新たなライフスタイルに対応した観光振興に、どのように取り組んでいかれるのか御所見をお伺いいたします。
 
山本知事 山下議員の御質問にお答えいたします。
 ただいまは、将来を担う若者の豊かな人間性をはぐくむ大切さに言及され、私の「かがやき30プラン」や若者の就業支援などの施策展開に高い御評価と御期待を賜りながら、県政各般にわたり御質問をいただきました。
 今後とも、だれもが生きがいを持って、はつらつと暮らせる郷土山梨を築くため、全力で取り組んでいきますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、新たなライフスタイルに対応した観光振興についてであります。
 本県は首都圏に位置し、いやし、安らぎ、健康などの近年の観光ニーズに見合った観光資源に恵まれていることから、団塊の世代や都市生活者の二地域居住の志向に対応していくのに最適な地域であると考えています。
 これまでも、農山村地域の四季折々の資源を活用した農林業体験メニューの開発や、都市と農山村をつなぐコーディネーターとなる人材の育成、先駆的なNPOと協働しての地域資源活用マニュアルの作成などにより、都市と農山村の交流を図ってきました。
 今後は、個人やグループのみならず、企業まで含めた都市側ニーズを的確にとらえ、農林業体験を初め、文化、スポーツ活動など幅広く、都市と本県との交流を進める必要があります。
 そこで、明年度は、交流の具体的な相談を行う窓口「グリーン・カフェ」を富士の国やまなし館に開設し、二地域居住から定住まで見据えた、持続的な交流活動を促進する「ニュー・ライフステージやまなし推進事業」を実施することとしています。
 今後とも、富士の国やまなし農村休暇邑協会や市町村、NPO、農家等と密接に連携して、本県における新たなライフスタイルに対応した観光振興に取り組んでいきます。

3.県立博物館等への集客向上のための取り組みについて
山下
 次に、県立博物館等への集客向上のための取り組みについてであります。
 県立博物館は、「山梨の自然と人」を基本テーマに、歴史に重点を置いた博物館として昨年十月十五日に開館し、三カ月余りで五万人を超える方々が入館されたと伺いました。年間の入館者目標数、十万人の半分が訪れ、入館したことになり、予想を上回るペースで来館者を迎えたことは、大変喜ばしいことであります。
 小中学生や高校生についても、八千人を上回る来館者があったとのことであります。
 山梨の未来を担う子供たちへの熱いメッセージが発信され続けるとともに、広く県民の方々に、郷土の姿に自信と誇りを持つような企画・運営がぜひとも必要だと考えます。
 そこで、これらの施設は県民のみならず、本県を訪れる観光客などにとっても、山梨を知ってもらうための重要な施設であり、魅力あふれる「山梨の顔」として、大いに宣伝していくことが大切だと考えます。特に、県立博物館のある峡東地域は、首都圏を初め、県外から多くの観光客が訪れることを考慮すれば、観光立県を目指す本県にとって、重要な観光施設であると考えます。
 しかし、残念ながら、博物館の入館者数からは、県外からの多くの観光客の方々に利用していただいているという状況を見てとることはできません。
 本県には、「ミレーの美術館」として、地方の公立美術館の中ではトップクラスの知名度を誇る県立美術館もあり、県立博物館や美術館などの、より一層の活用と集客のための工夫を図っていく必要があるのではないでしょうか。
 そのためには、大手旅行エージェントと提携して、県外から積極的に集客する工夫が大いに必要ではないでしょうか。来年から放映が始まる「風林火山」に合わせた特別企画展等も考えながら売り込む必要があると考えます。
 そこで、今後、県立博物館や美術館などの入館者の増加に向け、企画・運営上、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、また、特に県外からの入館者誘致のため、どのような取り組みをしていこうとしているのか、お伺いいたします。
 
教育長 山下議員の県立博物館等への集客向上のための取り組みについての御質問にお答えします。
 県立博物館は、昨年十月の開館以来、県内外から多くの人々が訪れ、本県の歴史や文化等に理解を深めていただくなど、好評を得ています。
 また、県立美術館などもすぐれた美術資料等を展示し、多くの県民や観光客に芸術・文化に接する機会を提供してきています。
 こうした中、県立博物館等では、より一層の集客を図るために、展示がえによる収蔵品の積極的な公開を初め、来館者のニーズに沿ったイベント企画や講座・講演会の開催、年間イベントの早期周知等を行っているところです。
 特に博物館では、今後、「よみがえる武田信玄の世界」展や「祈り 甲斐の信仰と美術」展など、多彩な企画展を開催するとともに、友の会設置や学校教育との連携の強化を図り、リピーターの確保に努めていきます。
 また、県外からの観光客の誘致については、地元関係団体等とタイアップした宣伝活動を積極的に展開するとともに、集客力のある県内外の旅行業者と連携する中で、県立博物館等へのクーポン券の導入を行い、団体客を含めた利用拡大の取り組みを進めていきます。
 今後も、県立博物館や美術館などが本県の誇る文化・生涯学習施設として、また観光施設としても、県民のみならず、県外からの人々にも繰り返し訪れていただけるような企画・運営に努め、集客の向上を図っていく考えです。
 以上でございます。

4.小児科医の確保対策について
山下
 次に、小児科医の確保対策についてお伺いいたします。
 山本知事におかれましては、「やまなし子育て支援プラン」に基づき、少子化対策に積極的に取り組み、次世代を担う子供たちを安心して産み育てることのできる環境づくりに御努力をいただいております。
 子育て中の親にとっては、子供の健康は一番の心配事でありますが、子供が病気の際には、どの診療科で診てもらえばいいのかわからない場合もあり、多くの親が小児科医の診察を希望しています。また、子供は急に体調を崩すことも多く、近くに小児科医のいる医療機関があれば、子育て中の親にとっても大きな安心になります。
 しかしながら、近年、全国的に小児科医が不足しており、厚生労働省の調査によると、この十年で小児科を廃止する病院が全国で約七百カ所にも上り、また、小児科を標榜する診療所も約千五百カ所減少しております。
 小児科医の不足の原因としては、少子化の進行により子供の数の減少が見込まれることや子供は自分の意思をうまく表現できず、診療時間が長くなる上、注射一本打つ場合でも、大人より手間がかかる割に、医療保険の点数ではそれに見合った配慮がなされていないことなどから、小児科を希望する医学生が少ないためであると言われております。
 本県における小児科医の場合は、全国平均が十万人当たり十一・五人であるのに対し、同程度の十一・三人と、他県と同様に不足しており、現状の小児科医の数では、各地域に休日・夜間の小児救急医療体制を整備することが難しい状況です。そのため、昨年三月にスタートした救急医療体制では、県内に一カ所、小児初期救急医療センターを設置したと伺っており、今後、各地域にセンターを整備していくためには、今以上に小児科医を確保していく必要があります。
 現在、国では医療制度改革を進めており、小児医療に関する診療報酬を充実するなど、小児科医の確保対策を講じようとしているところであります。
 少子化の時代にあって、安心して子供を産み育てるための重要な子育て支援策とも言える小児科医の確保に向けて、本県では今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

 福祉保健部長 山下議員の小児科医の確保対策についての御質問にお答えします。
 子供を持つ親の小児科専門医への強い受診希望や新生児医療など、新たな医療ニーズにこたえていくためには、小児科医の一層の確保が不可欠であります。
 このため、県では、国の施策及び予算に関する要望活動や全国知事会を通じ、大学等での小児科医の養成や小児医療に対する診療報酬の一層の充実など、抜本的な医師確保対策を国に要望しているところであります。
 また、市町村や医療関係団体の代表者などを構成員として昨年設置した「山梨県医療対策協議会」の場で、本県出身の医学生を確保するため、山梨大学医学部推薦入試の地元枠の検討や、より多くの医師に県内の病院に就職していただけるよう、魅力ある臨床研修プログラムの作成など、取り組むべき医師確保対策について協議しています。
 さらに、この協議会において、小児科医の確保が困難な地域における病院の小児科の集約化・重点化による効率的な小児医療の提供体制についても協議していきます。
 また、小児科医以外の医師にも地域の小児医療を担っていただけるよう、本年度から実施している内科医等に対する小児特有の症例等の研修についても、引き続き実施していきます。
 こうした取り組みを通じ、小児科医の確保に努めるとともに、小児医療の充実を図り、子供を安心して産み育てられる環境づくりを進めていきます。
 以上です。

5.本県農業を支える大規模な農業経営体の育成について
山下
 次に、本県農業を支える大規模な農業経営体の育成についてであります。
 本県農業は、高度な栽培技術を駆使し、狭い耕地を最大限に生かした集約的農業を展開し、全国一、二を競う土地生産性を誇ってきました。
 しかしながら、本県の農家の多くは、家族労働力を主体とした小規模な経営であるため、昨今の農業従事者の高齢化の進展や後継者の減少に伴う、農業生産活動の弱体化や遊休農地の増加などが問題となっています。
 このため、本県農業が持続的に発展し、山梨らしい美しい農村景観を形成していくためには、地域農業を支える担い手の育成が農政の大きな課題であり、これまでも担い手問題を取り上げてきました。
 私は、意欲ある農業者を支援し、認定農業者の確保や法人化の推進を図るとともに、本年度から実施している集落営農組織の育成など、地域農業の実態に応じて、多様な担い手を着実に確保、育成していくことは極めて重要であると考えております。
 さらに、こうした取り組みに加え、農地集積により経営規模を拡大するとともに、生産、加工、販売までを一体に行うなど多角的な経営を行う先進的な大規模経営体を育成していくことは、農業の有効活用や地域雇用の創出に大きな効果があり、今後の担い手対策の主要な柱の一つであると考えます。
 また、株式会社等の農業参入が、昨年九月から、農業経営基盤強化促進法の改正に伴い、一定の要件をもって可能となりました。このことも、大規模経営体の育成に追い風であり、情報提供なども含め、適切な支援を行っていくことが必要であります。
 そこで、本県農業を支える大規模な農業経営体の育成に、県は今後どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。
 
山本知事 次に、本県農業を支える大規模な農業経営体の育成についてであります。
 二十一世紀の山梨農業の振興を図るためには、現在の担い手対策を着実に推進するとともに、大規模で収益力の高い経営体を育成していくことが重要であります。
 このため、明年度から、経営規模十ヘクタール以上、生産額一億円以上を目標とした経営体を育成する「大規模農業経営モデル育成事業」を実施します。
 この事業では、本県の基幹作物である果樹、野菜、水稲を中心に、観光、契約栽培、作業受託など、さまざまな経営方策を組み合わせた大規模経営体を、三年間で六モデル、育成することとしています。
 具体的には、民間の経営専門家を加えたプロジェクトチームを設置し、各モデルが二年間で経営基盤を確立できるよう、技術、経営、人材育成などを重点指導するとともに、農地を借りる際の負担軽減を図るための助成を行うこととしています。
 また、企業の農家への参入を促進し、将来の大規模経営につながるよう、相談窓口の設置やセミナーの開催、農地情報の提供など、市町村や農業委員会等と連携した総合的な支援を行います。
 こうした取り組みにより、地域農業活性化の柱となる大規模経営が県下各地域に波及していくよう努めていきます。

6.県有林の管理について
山下
 次に、県有林の管理についてお伺いいたします。
 本県は、県土の七八%が豊かな緑で覆われた森林県であり、この森林は、清らかな水をはぐくむとともに、多様な動植物も生息する全国にも誇れる大切な県民の財産であります。
 県有林は本県森林面積の約半分を占め、その多くが河川の上流域に位置しており、長い歴史の中で、山地災害の防止、水源の涵養、森林の生産や森林レクリエーションの場の提供などにより、県民生活に貢献してきました。
 また、この森林地域に発する河川は、しばしばはんらんしたことから、先人は、森林整備による治山・治水に意を注いできたところであります。
 私の地元を流れる金川は、暴れ川として知られていますが、沿岸は水害防備林によって守られるとともに、最近は、森林公園として地域住民を初め、多くの人々のいやしの場や自然体験の場として利用されています。
 このような、森林が有する多面的な機能は、森林が適切に管理されることにより発揮できるものだと考えます。
 しかしながら、長引く林業の低迷により、荒廃した人工林が増加し、森林の機能低下が懸念されています。県では、こうした民有林を対象として、公的関与により間伐などを支援すると伺いました。
 県有林にあっても、林業経営が厳しい状況下ではありますが、水源地域としての特性を踏まえ、水源涵養などの森林の公益的機能をこれまで以上に高めていく必要があると考えます。
 そこで、県は十カ年の県有林管理計画を策定したと聞いていますが、今後、知事が目指す「森の国・水の国やまなし」にふさわしい県有林の管理をどのように進めていくのかお伺いいたします。
 
山本知事 最後に、県有林の管理についてであります。
 県民共有の財産である県有林は、これまで県土保全や森林資源の供給などにより、時代の要請にこたえて、県民の生活に貢献してきました。
 また、環境に配慮した持続可能な森林管理は、国際的な認証を受けるなど、高い評価を受けています。
 近年、環境への関心が高まる中で、地球温暖化防止、水源涵養、災害防止や保健休養など、森林の多様な働きへの期待が増大しており、こうした公益的機能のさらなる充実・強化が求められています。
 県有林は、本県の森林面積の約半分を占めており、その多くが標高の高い位置にあることから、本県森林の公益的機能の維持、増進に重要な役割を担っています。
 このため、従来にも増して公益的機能を重視した森林管理に取り組む計画を策定し、名称も「県有林管理計画」としたところであります。
 具体的な取り組みとして、長伐期林の大幅な拡大や、針葉樹と広葉樹の共生した複層林の整備を推進することなどにより、土壌の保水能力の向上を図り、水をはぐくみ、県土を守る森林(もり)づくりを進めます。
 また、人々に潤いと安らぎを与える森林セラピーの場や、NPOやボランティア等による森づくりの場を提供し、美しい森林景観や豊かな自然環境を活用した多様な森林利用を図っていきます。
 今後、こうした取り組みを通じて、「森の国・水の国やまなし」にふさわしい森林(もり)づくりに努め、県民に親しまれる緑豊かな県有林を次の世代に引き継いでいきます。
 以上をもって私の答弁といたします。その他につきましては、担当の部長から答弁をいたさせます。

7.県道石和温泉停車場松本線の歩道整備について
山下
 最後に、県道石和温泉停車場松本線の歩道整備についてであります。
 交通事故による死亡者数は、統計史上最悪を記録した昭和四十四年の二百二十七人と比較すると、平成十七年には六十四人と三割以下にまで減少しました。
 これは、長期間にわたり県・市町村等の関係機関が交通安全対策に積極的に取り組んできた成果であると思います。
 しかしながら、道路交通事故の発生件数や負傷者数は、平成十五年には過去最悪を記録するなど高い状況で推移し、依然として予断を許さない状況にあります。さらに対策の実施が必要であると考えます。
 特に交通弱者と言われる子供や高齢者等にとって、歩道のない道路は危険極まりなく、だれもが安全で安心して通行するためには、歩道の整備が大変重要であると考えます。
 こうした中で、笛吹市の石和温泉駅前については、県の街路事業や市の区画整理事業により歩道整備が進み、県道石和温泉停車場松本線の駅前から松本踏切横の交差点までの歩道についても整備が進んでおりますが、JR松本踏切から国道百四十号の松本交差点までの約二百メートル間は歩道もない上に、今後、駅前整備により交通量の増加も予想されることから、いつ事故が起こるかわからない危険な状況にあります。
 さらに、この区間は、高齢者・身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の利便性・安全性の向上を促進するために制定された、通称「交通バリアフリー法」の重点整備地区にもなっていると聞いております。
 そこで、この区間にあるJR松本踏切の拡幅等を含め、歩道の整備が必要であると考えますが、御所見をお伺いします。
 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

土木部長 山下議員の県道石和温泉停車場松本線の歩道整備についての御質問にお答えします。
 車両保有率が高く、県民の移動手段として車がその中心的役割を担っている本県において、子供や高齢者はもとより、通勤・通学等の歩行者を交通事故から守るためには、安全な歩道の整備は重要です。
 県道石和温泉停車場松本線は延長約四百五十メートルの一般県道であり、「石和町交通バリアフリー基本構想」の特定経路にも位置づけられています。
 このうち、JR石和温泉駅前からJR松本踏切の交差点までの約二百五十メートルについては、区画整理事業により歩道の整備などが実施されており、平成十八年度に完了する予定となっています。
 残りのJR松本踏切から国道百四十号の松本交差点までの約二百メートルについては、通学路にも指定され、多くの利用者がありますが、道路幅員が狭く、歩道もないことから、歩行者等の安全確保が求められています。
 このため、JRとの協議を含め、地域住民の皆様の御理解をいただきながら、だれもが安全で安心して利用できるよう、歩道の整備など歩行環境の改善を検討していきたいと考えています。
 以上であります。


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