平成19年6月定例県議会 一般質問・答弁要旨
山下 私は、自民党新政会の立場から、県政一般について質問いたします。
 最近、「ナショナルプライド」という言葉を目にし、大変興味を引かれました。
 戦後、日本は、経済の復興に国を挙げて取り組み、「経済成長」にナショナルプライド、すなわち「国民の誇り」を見出してきました。しかしながら、経済も低成長に移行し、日本全体が成熟社会になる中、「国民の誇り」の内容が定まっていないという状況にあります。
 私自身、「国民の誇り」とは何なのか、明確な言葉にできません。ただ言えることは、個々の国民にとって、「誇り」のとらえ方に違いはあるにせよ、目指すところは、ぼんやりとした形ではありますが、一致しているのではないかということであります。私も、政治に携わる者の一人として、「国民の誇り」とは何かということを問い続けていきたいと思っています。
 さて、「国民の誇り」ということを考えておりましたときに、ふと「議会の誇り」とは何かということを思いました。
 今年の統一地方選挙においては、全国的に議会改革が大きくクローズアップされました。まさしく「議会の誇り」が問われる選挙であったと思います。
 本県においても、議会の活性化、政務調査費の透明化などを求める声が多く寄せられました。
 私たち議会人は、議会改革を求める多くの県民から御支持をいただき、県民の代表として、この場に集っております。議会改革が求められる今こそ、「議会の誇り」の再構築を行うときではないでしょうか。改革にしっかりと取り組んでいくことにより、県民に対して「誇りある議会」を示していきたいと思っております。
 このような思いを胸に刻みながら、以下質問に入ります。
 
1.消防の広域化について
山下
 初めに、消防の広域化についてお伺いいたします。
 日夜、地域住民の生命、財産の安全確保のため、崇高な使命を果たしておられる消防関係者の皆様に、心から敬意と感謝を申し上げ、質問に入ります。
 国は、昨年、消防の広域化を推進するため、消防組織法を改正するとともに、基本指針を策定し、その中で、消防本部の規模は大きいほど望ましく、管轄人口はおおむね三十万人以上が適当であるとしております。
 私が、消防の広域化について、地域の方々や関係者にお話を伺ったところ、将来の行財政基盤の強化のためにも広域化が必要であるという意見がある一方で、消防は、地域住民の生活に最も密着したサービスであり、広域化せずに従来どおり細かく行った方がよいという意見もあるなど、反応はさまざまでありました。
 また、広域化した場合、職員の通勤や宿舎、人事・給与などの問題を初め、現在の庁舎や設備、出動態勢や指令業務をどうするかなど、検討すべき課題が多々あることも承知しております。
 しかしながら、現在の消防がさまざまな問題を抱えていることもまた事実であります。
 地域の安心・安全を守るために、常備消防と並んで、いわば車の両輪をなしている消防団も、団員数の減少やサラリーマン化など、さまざまな課題を抱えており、地域防災力の低下が危惧されております。
 また、本県は、地形的特性として山岳・山間地域が多く、一消防本部当たりの管轄面積が広いことなどもあって、救急業務の需要が増大する中、救急車の出動に時間を要しているなどの点も、解決しなければならない問題であります。
 私は、これらの問題を解決するためには、クリアすべき幾多の課題もありますが、県が広域化のメリットを示すとともに、リーダーシップを発揮して、消防の広域化を推進していく必要があると考えます。
 そこで、広域化によるメリットと今後の県の取り組みについてお伺いいたします。
 
横内知事 山下議員の御質問にお答えさせていただきます。
 ただいまは、「国民の誇り」とは何かを問い続けていくという政治信条を披瀝されますとともに、「誇りある議会」に向けた改革への決意を示されながら、県政各般にわたり御質問をいただきました。
 私も、県庁改革を進めながら、山梨の再生に全力で取り組んでいく決意でありますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、消防の広域化につきまして、御質問がございました。
 本県では、現在、十消防本部体制で進めているわけでございまして、県民の生命・財産の安全確保のために、防災や救命救助等に日夜取り組んでいるところであります。
 しかしながら、甲府地区消防本部を除く九消防本部が、国が広域化の目安としている管轄人口三十万人規模に満たないことから、複雑・多様化、大規模化する災害や将来の人口減少に的確に対応していくためには、御指摘のように、さらなる広域化を強力に推進する必要があると考えております。
 この広域化によるメリットについての御質問がありましたが、一つには、地震を初めとする大規模な災害のときに、大部隊による迅速な初動対応ができるということ。二つ目には、管轄区域や消防署などの配置を適正化することによって、現場到着時間の短縮が可能になるということ。三つ目には、本部機能を統合して、現場要員をその分だけ増強できるということ。四つ目には、重複投資が回避できることによる経費の節減があるということなどさまざまな効果が上げられております。
 この広域化の今後の方向性でございますが、県としては、想定されるメリットを最大限生かしていくために、一消防本部の管轄人口は多ければ多いほどよいと考えているところです。
 今後、市町村や消防本部、住民、学識経験者等の方々の考えや御意見をお聞きし、関係者の間で十分な合意形成を図りながら、本県消防の広域化の方向を明らかにした推進計画を早期に策定し、今後、五、六年程度で実現を目指してまいりたいと考えております。

2.介護保険制度について
山下
 次に、介護保険制度についてお伺いいたします。
 介護保険制度は、高齢者の自立支援と尊厳の保持を基本理念として平成十二年に創設され、七年を経過した現在、高齢者が自立して質の高い生活を送るための重要な社会保障制度として定着しております。
 その反面において、要支援・要介護者の増加や、介護サービス量の拡大に伴い、介護保険にかかる費用も増大しております。国・地方を通じた総費用は、今や制度創設当初と比べ、一・七倍を超える六兆三千億円にも上っております。
 このような状況を踏まえて、「明るく活力ある超高齢社会の構築」、「制度の持続可能性」、そして「社会保障の総合化」という三つの基本的視点から制度の見直しが行われ、昨年四月に、改正介護保険制度が施行されました。
 今回の改正において、地域密着型サービスの創設など新たなサービス体系の確立や、予防重視型システムへの転換、サービスの質の確保・向上といった見直しとともに、利用者負担や保険料の見直しが行われるなど、制度創設時にも匹敵する大きな改革が行われました。
 こうした中で本県の状況を見ますと、地域によって介護保険料の格差が生じております。
 そこで初めに、本県における介護保険料の市町村格差の状況をお伺いいたします。
 私は、年金から保険料を徴収される高齢者にとって、住む市町村によって負担の差があるのは、余り好ましいことではないと考えます。このような市町村格差を是正するとともに、保険料の増大を抑制するには、介護保険制度の適正な運用の確保と介護予防の推進が重要になってきます。
 将来にわたって継続的・安定的に介護保険制度を運営していくためには、介護や支援を真に必要としている方々に、適切なサービスが提供されることが重要であります。
 その基本となるのが、要介護などの認定において公平性・中立性が確保され、適切な認定が行われることと考えますが、県の取り組みの状況をお伺いいたします。
 また、介護予防推進の拠点として、各市町村に地域包括支援センターが設置され、地域のネットワークを生かして、高齢者が可能な限り地域で自立した日常生活を営むことができるよう支援する地域支援事業が行われていると聞いております。
 この地域支援事業に対して、県はどのような支援を行っていくのか、重ねてお伺いいたします。
 
福祉保健部長 山下議員の介護保険制度についての御質問にお答えいたします。
 まず本県の介護保険料でございますが、平成十八年度から平成二十年度における六十五歳以上の方は、月平均三千六百十六円であり、その中で最高は四千七百円、最低は三千円と、千七百円の開きがございます。
 これは、市町村が地域の介護サービス供給等の状況を勘案しまして、金額を決定するため、市町村間で差が生じる結果となっております。
 また、要介護認定につきましては、適切に行われることが制度の安定的な運営に不可欠であり、多くの市町村では、介護認定審査会を共同で運営するなど、広域的に行うことで、認定の公平性、中立性の確保に努めております。
 県は、こうした市町村の取り組みに対しまして、認定調査員等の各種研修の充実を図るとともに、介護認定審査会委員による事例検討会を実施しまして、要介護認定がより公平に行われるよう、支援しております。
 さらに、地域支援事業につきましては、市町村の地域包括支援センターの職員などを対象とした研修を行い、センターが円滑に運営できるよう支援しています。
 また、山梨大学と連携して二年間にわたり実施しました介護予防モデル事業では、高齢者に対し、生活機能低下を早期に発見するための健診を行い、予防に向けたプログラムを実践していただいた結果、筋力の向上など一定の成果が得られました。
 今後は、この健診のノウハウや評価分析手法をすべての市町村に普及し、地域支援事業に活かされるよう、支援をしてまいります。
 これらの取り組みを通して、市町村が介護保険事業を適切に実施できるよう助言・支援し、制度の円滑な運営に努めてまいります。
 以上であります。

3.国際観光の振興について
山下
 次に、国際観光の振興についてお伺いいたします。
 我が国の国内観光市場は、経済の低成長などの影響により、一九九一年をピークに縮小しており、また、総人口の減少により、引き続き縮小傾向にあります。一方、世界各国の間における交流人口は、経済進展が著しい東アジアを中心に大幅な増加が見込まれております。
 このような背景の中で、新たな市場として、海外から観光客を誘致する国際観光が注目されております。
 国は、二〇一〇年までに外国人観光客数を一千万人とすることを目標に、ビジット・ジャパン・キャンペーン事業に取り組んでおり、昨年は、七百三十三万人が我が国を訪れたと聞いております。
 また、国においては、本年一月、観光立国推進基本法が施行され、名実ともに観光立国の実現に向けて、「美しい国日本」をつくるための取り組みが始まったところであります。
 本県は、日本を代表する富士山を初めとする豊かな自然環境のもと、温泉や四季の果実など、外国人観光客向けの魅力的な観光資源に恵まれております。
 このような中、県は、国際観光を積極的に推進するため、本年度、観光部に国際観光振興室を設置しました。このことについては、時宜を得たものと評価したいと思います。
 また、知事は、二〇一六年までに、本県を訪れる外国人観光客を増加させることを公約として掲げ、知事みずから海外においてトップセールスや受け入れ態勢の充実を行うとしております。
 そこで、今後、外国人観光客の誘致拡大に向け、どのように取り組みを進めるのか、お伺いいたします。
 
横内知事 次に、国際観光の振興について御質問がございました。
 本県の観光振興にとって、国際観光への取り組みは重要であり、とりわけ、膨大な潜在市場が見込まれる中国の内陸部における誘客宣伝活動は、極めて有効であると考えております。
 そこで、来月、四川省を訪問して、「日中地域間交流推進セミナー」に出席するわけでございますが、その機会をとらえまして、政府関係者や旅行業者に直接、富裕層を対象としたジュエリーの紹介とか、産業・環境保全を目的とした視察旅行など、新たな旅行商品を売り込んできたいと思っております。
 また、十月には、最近、韓国では健康志向が高く、第二次ワインブームが到来しているというふうに聞いておりますけれども、ソウル市におきまして、旅行業者やマスコミ関係者を対象にして、温泉やワイン、また山岳トレッキングなど、潜在ニーズが高い旅行情報を紹介することにより、本県への誘客につなげていきたいと考えております。
 さらに、安心して快適に過ごすことができる観光地づくりに取り組むことも必要なことから、宿泊施設の従業員などを対象とした受け入れ研修の支援や、外国語で案内する通訳ボランティア育成などの事業も実施してまいります。
 さらに、全国にまたがる観光ルートを形成して、外国人観光客の一層の来訪を促すことも必要であります。このため、国際観光地を結ぶ新たな国際観光振興策についても、国に対して強く要望しているところでございます。
 これらの取り組みを通じ、県民や市町村、観光団体と密接に連携した国際観光の振興を、積極的に推進していく考えでございます。

4.圏央道の開通と富士山静岡空港の開港に伴う観光振興について
山下
 次に、圏央道の開通と富士山静岡空港の開港に伴う観光振興について、お伺いいたします。
 明後日、二十三日、首都圏中央連絡自動車道、いわゆる圏央道のあきる野インターチェンジと八王子ジャンクションの間が開通する予定となっております。
 この区間が開通しますと、関越自動車道と中央自動車道は圏央道で接続され、移動時間が約九十分短縮されるとのことであります。埼玉県や群馬県など北関東と本県は、非常に身近なものとなります。
 先日、県が発表した平成十八年観光客動態調査によりますと、本県の観光客全体の約七割が、県外からの観光客でありました。
 しかしながら、そのうち、埼玉県を含めた北関東からの観光客は約一割程度にとどまっており、同じ首都圏の中にありながら、本県はまだまだ遠い存在となっております。
 圏央道の開通により、今後は、東京圏はもとより、北関東地域との連携が強化され、本県観光のさらなる発展が期待されるところであります。
 また、平成二十一年三月には、富士山静岡空港の開港が予定されております。
 空港を持たない本県としては、成田、羽田、中部国際空港に加え、身近な地に新たな玄関口が開設されることから、国内外からの観光客の誘致に大いに期待しているところであります。
 そこで、このような新たな交通網の整備という好機をとらえ、本県への誘客促進に向けて、県ではどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
 
観光部長 山下議員の圏央道の開通と富士山静岡空港の開港に伴う観光振興についての御質問にお答えいたします。
 圏央道の開通は、これまで本県の観光になじみが薄かった北関東地域の観光客を誘致する絶好の機会ととらえています。
 このため、本年四月には、埼玉、群馬の両県において、地元旅行会社などを対象に観光説明会を開催し、「風林火山」に関する情報や県内各地の温泉、富士山周辺の観光スポットなど、本県向けの旅行商品造成のための観光情報の提供を行ってきました。
 さらに、北関東地域の方々にも、本県が身近で魅力あふれる観光地であることを理解していただくため、開通記念イベントを手始めに、圏央道につながる関越自動車道のサービスエリアや埼玉県内の道の駅などにおいて、順次、観光キャンペーンを行い、夏のイベント紹介など、本県の観光情報を提供していきます。
 また、富士山静岡空港は、富士山に最も近い空港として、国内外の観光客の利用が見込まれることから、この空港を利用した観光客の獲得に積極的に取り組んでいきたいと考えています。
 このため、富士山と国内主要観光地を結ぶ広域観光ルートの設定や海外への効果的な宣伝方法、北海道や九州等からの誘客の促進などについて、静岡、神奈川の両県と設置している富士箱根伊豆国際観光テーマ地区推進協議会などで検討を進め、観光客の誘致につなげていきます。
 今後とも、本県観光の発展を促進する交通網の整備の機会をとらえ、国内外に向けて、山梨の魅力を積極的に売り込み、誘客の促進を図っていきます。
 以上でございます。

5.農業の担い手の確保・育成について
山下
 次に、農業の担い手の確保・育成についてお伺いいたします。
 二〇〇五年の農林業センサスによりますと、本県における農家の総数は、三万九千七百八十戸であり、二〇〇〇年の数字と比較しますと、二千九百六十一戸、率にして六・九%減少しております。
 その背景には、農家の子弟の多くが、民間等に就職し、親の跡を継いでいないという現状があります。そしてまた、その親の多くが高齢化しております。
 他方、農家の子弟ではない者の中で、農業をやってみようという志を持つIターン希望者、あるいは、退職帰農希望者が数多く存在しております。
 彼らは、本県農業を支える将来の有望な担い手として期待されますが、その多くは、農業経験が乏しく、農業を目指すに当たっては、幾つもの問題を抱えております。
 例えば、農業を始めるに当たっての技術力が不足しているという点が挙げられます。この点については、県はこのたび、農業大学校を再編し、職業訓練機能を拡充するとともに、研修メニューも充実させ、これら新規就農希望者の技術習得を支援していくとのことであります。これは的を射た改革であると考えます。
 しかしながら、彼らが抱える大きな問題は、こうした技術的な問題はもとより、農地を所有していない、就農を希望する地に住む家を持っていないという問題であります。
 彼らは、県内につてを持っていない場合が多く、こうした問題を初め、どこに相談すればスムーズに就農できるのか、どこで必要な情報が入手できるのかということが、まず悩みとなってまいります。
 新規就農希望者が抱えるこうした問題を解決し、就農を促進することにより、担い手の確保だけではなく、各地で増加している耕作放棄地の利用などにもつながっていくのではないでしょうか。
 県は、このたび、県農業振興公社内に就農支援センターを開設するとのことでありますが、このセンターにおいては、本県で農業を始めたいと考えている新規就農希望者をどのように支援していくのか、お伺いいたします。
 
横内知事 次に、農業の担い手の確保・育成についての御質問でございます。
 本県の農業が、将来にわたって維持・発展していくためには、若者を初め団塊の世代や離転職者など、多様な人材を幅広く確保して、担い手として育成していくことが重要でございます。
 このため、ことしの七月には、県農業振興公社内に、マネージャー二名を配置した就農支援センターを開設し、農地とか住宅とか資金などの、就農希望者が必要としている各種の情報の一元的な管理により、就農相談窓口のワンストップ化を図りまして、さまざまな相談にきめ細かく対応していくこととしております。
 また、ホームページでも、就農関連情報の発信や、県内外における就農相談会の開催などを通じて、本県の農業の魅力を積極的にPRをしてまいります。同時に、農業法人へ就業を希望する方には、無料職業紹介所として、相談や紹介を行うこととしています。
 さらに、農業経営を始める方が安定した経営が行えるように、栽培品目などを明確にした就農計画の作成を指導したり、就農に必要な資金の無利子貸付けや、市町村、農業委員会、関係団体の協力による農地のあっせんを行うこととしております。
 今後、就農支援センターが中心となって、相談から就農定着に至るまでの一貫した支援を行う中で、多様な担い手の確保・育成に努めてまいりたいと思います。

6.ミネラルウォーター税について
山下
 最後に、ミネラルウォーター税についてお伺いいたします。
 国が税を集め、これを地方交付税や補助金として地方が使う。戦後一貫して進められてきたこのシステムは、地方に大きな発展をもたらす一方、独自の発想、独自の地域づくりを阻んできたことは否定できません。
 今年度は、かつてない大きな税源移譲が行われたところであり、また、先ごろ施行された「地方分権改革推進法」に基づき、国・地方の税源配分のあり方が今後さらに検討されることとなっております。こうした地方税源の拡大の動きは、行政への関心を高め、地域の創意工夫を促し、必ずや地域発展の大きな契機となると期待しております。
 さて、ミネラルウォーター税は、平成十二年の地方分権一括法により、県にも法定外目的税の導入が可能となったことを受け、ミネラルウォーターの生産量が日本一である本県の特性を生かして、水源涵養に資する森林整備のための目的税として制度設計されたものと認識しております。
 県のこれまでの取り組みについては、自主財源の確保を図り、自立的な行財政運営にも資するものとして評価をしておりましたが、昨年七月、租税法の専門家などで構成する検討会から、積極的に評価することは難しく、慎重に対応していくことが望まれるとの報告が出されました。
 県は、この報告を尊重するとのことでありましたが、いまだにその後の方針が明らかにされておりません。そこで、今後、どのような方針で臨むのかお伺いいたします。
 また、最近、多くの県において、県民税の超過課税という形で森林環境税が導入されております。本県は、県土の七八%を森林が占める全国有数の森林県でありますが、このような税の導入は検討されているのかということについて、重ねてお伺いいたします。
 以上をもちまして、私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。

横内知事 最後に、ミネラルウォーター税についてでございますが、ミネラルウォーター税は水源涵養に必要な費用に充てることを目的として、法定外目的税として平成十二年から検討されてきました。
 十七年六月には、これを制度化するに当たっての問題点について、専門的かつ幅広い検討を行うために、租税法や財政学の専門家等で構成するミネラルウォーターに関する税検討会を設置して、検討を重ねて、昨年七月、報告書をいただいたところであります。
 この報告では、地下水資源に恵まれた山梨県が、水に着目した新税の構想をすることは理解をしていただきながらも、納税者の最低限の理解が得られないような税は、導入すべきではないという近代法の考え方とか、あるいは、薄く広く課税するという税の理念とか、さらに公平・中立などの税の原則に照らした場合に、このミネラルウォーター税構想というものは、納税義務者が特定かつ少数の者に限定され過ぎているということと、ミネラルウォーター業界の受益が、他の業界の地下水利用からの受益よりも特別に大きいとする根拠を客観的に示すことが困難であるというような指摘があって、積極的に評価することは難しく、慎重に対応していくことが望まれるという、このミネラルウォーター税が内包している問題点を指摘しております。
 このため、私としては、報告書の内容を尊重し、ミネラルウォーター税については、当面、具体的な検討を行うつもりはありません。
 一方、本県の森林は、林業の不振や林業労働者の減少、高齢化などによりまして、管理水準が悪化し、荒廃が進んでおります。森林整備のための財源の確保が課題でございます。
 この財源確保策として、全国では二十四県で、森林環境税が導入されていることは、よく承知しております。
 そこで、本県に森林環境税を導入するかということでありますが、本県の森林からの恩恵というものは、県民のみならず、水源涵養を通じて、下流の都県にも及んでいることもございまして、森林環境税については、下流都県も含めて、広くその整備に係る費用負担のあり方を議論する中で、検討していくべき課題だと考えております。
 以上をもって私の答弁とさせていただきます。その他につきましては、担当部長からお答えいたします。

山下 では、一点、介護保険制度の市町村格差の状況について、簡単にさらっとお答えされたんですけれども、要は市町村の格差があるということは認識しているわけですよね。
 では、基本的にこれからの行政、福祉関係というのは、国から市町村にダイレクトに行ってしまう。今までは県を通して、補助金とか交付金とかそういう形で市町村に落ちていたんですけれども、これからの行政、福祉というのは、ほとんどが国から直接、介護保険料なんかは市町村に全部行ってしまうということになるわけですね。
 それでいて、それがわかっていて、「格差が出ています。」、「それはもう市町村がやることです。」では、県は何をやるんだと。必要なくなるではないかと。もう少しそこの部分は県もきちっと考えて、市町村の格差があるんだったら、なぜ格差があるのか。
 そしてまた、今はまだ千七百円ぐらいの差かもしれませんけれども、実際、これがもっともっと拡大していったら、どうするんですか。「それは市町村がやることですから」というふうに言うんですか。
 やはりもう少し考えなきゃ、県行政として、市町村にどういうことを県がこれからやっていけるのかということを、福祉というのは本当に考えていかないと、どんどん必要がなくなってくるんじゃないですか。
その辺を含めて、御答弁いただきたいと思います。

福祉保健部長 山下議員の再質問にお答えいたします。
 格差の問題でございますけれども、これはまず前提といたしまして、この金額というのは、市町村が地域の介護サービス供給の状況を見まして、個々に決定している。その結果として、こういった格差が生じております。
 県は、では、どうするかということでございますが、これは委員の御質問にございましたように、まず介護保険制度の適正な運用、いわゆる過剰なサービスが行われていないか。あるいは逆に、サービスが提供できる基盤が整っているのか、いないのか、そういった全体の制度の運用を適正に図っていくというところで、助言、指導してまいりたいと考えております。
 また、金額全体のことで申し上げますと、介護予防重視になってきておりますので、その予防を重点的に行うことによって、介護にかかる経費全体を抑えていく取り組みも、県としてはやっていきたいと考えております。
 以上でございます。


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