平成25年6月県議会定例会 一般質問
山下 私は、創明会の立場から、今定例会に提出されました案件並びに県政一般について質問いたします。
 今回の一般質問は、新たな観光施策を初め農業・農村の活性化、ジェトロ山梨との連携による輸出促進など、本県経済成長のエンジンとなる産業の振興を中心に質問したいと思いますので、県民の皆様にわかりやすい言葉で御答弁をいただければと思います。
 今から五十年前にキング牧師が行った「I Have A Dream」(私には夢がある)という演説の中に、「この信念をもってすれば、絶望の山からも希望の石を切り出すことができる」というフレーズがあります。
 人口減少や諸外国との競争激化など、我が国、そして本県の産業を取り巻く環境は、極めて厳しいと言わざるを得ません。
 しかし、県民の英知を結集すれば、必ずや明るい未来が開けるとの強い信念を持ち、以下、質問に入ります。
 
1. 新たな観光施策の展開について
 (1) 富士山の世界文化遺産登録後の観光振興について
山下
 初めに、新たな観光施策の展開について幾つか伺います。
 まず、富士山の世界文化遺産登録後の観光振興についてであります。
 ことしのゴールデンウイークは、好天に恵まれたことに加え、イコモスによる富士山の世界文化遺産登録の勧告がなされたことから、本県を訪れた観光客は、前年に比べて十四万二千九百人、一一・八%の大幅増となる百三十五万四千人に上り、中でも富士山周辺の行楽地は大いににぎわいました。
 富士山は、今月十六日からカンボジアで開催される第三十七回世界遺産委員会で、世界遺産リストに記載される見込みであります。
 今後は、国内外から、より多くの観光客が世界文化遺産の富士山を訪れることが予想される中、利用者負担金や誘導員など、さまざまな課題について検討がなされておりますが、最大の課題は、こうした観光客の増加を一過性のものに終わらせることなく、県内全域、さらに国内各地へ回遊させる仕組みづくりであり、早急な対応が求められます。
 例えば、県立美術館、文学館、博物館などの県立施設に加え、民間の文化・教養施設で、富士山に関する特別展などを開催し、官民一体となって世界文化遺産としての富士山の価値を強くアピールしていくことなどが必要と思われます。
 また、国内には、十二の文化遺産と四つの自然遺産がありますが、これらの遺産がある十八の都道府県と連携を図り、遺産を結ぶ観光ルートを季節ごとに複数設定し、観光客の多様なニーズにきめ細かく対応することも考えられます。
 そこで、富士山の世界文化遺産登録を契機として、今後、どのように戦略的な観光振興を図るのか伺います。
横内知事 山下議員の御質問にお答えをいたします。
 ただいまは、キング牧師の言葉を引用しながら、県民の英知を結集し、山梨の明るい未来を開くとの信念を示されました。
 今後も、山梨発展のために全力で取り組んでまいりますので、一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
 初めに、富士山の世界文化遺産登録後の観光振興についての御質問であります。
 世界文化遺産登録によりまして、観光客の増加が見込まれるところでありますが、まず第一に必要なことは、議員御指摘がありましたように、観光客を富士北麓地域だけにとどめるのではなくて、できるだけ県内全域に回遊させる仕組みづくりを行うことであります。
 このため、JRやテレビ、雑誌等との連携によりまして、富士山とあわせて、フルーツ、ワイン、温泉、美術館、博物館など、県内各地の多彩な観光資源の魅力をPRすることとしております。
 また、周遊観光を促進するために、中日本高速道路株式会社に山梨県内乗り放題プランの実施をお願いするほか、全国の旅行代理店に周遊プランの造成を要請しているところであります。
 第二に必要なことは、国際的にグレードの高い観光地づくりを目指すことであります。観光客の増加に伴って、サービスの質が低下してしまえば、富士山ブームも一時的なものに終わってしまいます。
 世界文化遺産登録によって、富士山と富士山のある山梨は世界中から注目されますので、国内観光客だけではなくて、外国人観光客に対しても、従来以上に質の高いおもてなしを提供し、世界中の人々が憧れるようなグレードの高い観光地を目指していく必要があります。
 このため、世界文化遺産登録直後におもてなしセミナーを開催し、旅館、ホテルの接遇はもとより、県民挙げてのおもてなしを向上させるとともに、市町村や観光事業者等と連携いたしまして、景観やトイレ、外国語表記の案内標識の整備、魅力ある地域資源の育成と活用等を積極的に図っていきたいと考えております。

(2) 圏央道の開通を見据えた本県への誘客について
山下
 次に、圏央道の開通を見据えた本県への誘客についてであります。
 近年、圏央道の全線開通に向けた整備が着実に進められています。
 八王子ジャンクションより南の神奈川区間では、去る三月と四月に、相模原愛川インターから海老名インター間と、寒川北インターから茅ケ崎ジャンクション間が相次いで開通し、明年度には、八王子市から茅ヶ崎市までの区間が、また、平成二十七年度には横浜市金沢区までの全区間が開通となる見込みであります。これにより、本県と神奈川県湘南地方との時間的距離は大幅に短縮されます。
 また、八王子ジャンクションより北の埼玉区間や茨城区間、千葉区間についても、数年後には全区間が開通する見込みであり、既に接続している関越自動車道に加えて、東北自動車道や常磐自動車道とも接続することから、本県は、北関東三県(栃木、茨城、群馬)を初め、千葉県、さらには東北六県とのアクセスが飛躍的に向上します。
 しかし、圏央道のような環状道路が完成すれば、観光先の選択肢が大きく広がることで、本県への観光客を他の観光地に奪われてしまうという危険性もはらんでいます。
 そこで、こうした圏央道の開通を見据え、関東近県、さらには東北地方からの本県への誘客をどのように図るのか伺います。
観光部長 山下議員の新たな観光施策の展開についての御質問にお答えいたします。
 まず、圏央道の開通を見据えた本県への誘客についてでございます。
 本県を訪れる観光客の約八割が車を利用していることから、圏央道の整備によるアクセスの向上は、特に北関東や神奈川エリアからの観光客の増加につながるものと、強く期待をしておるところでございます。
 県では、これまでも、包括協定を締結している中日本高速道路と連携いたしまして、情報誌等への掲載とか県内周遊割引サービスの展開等、車利用者の誘客を促進してまいりました。
 今後は、東名高速道路や東北自動車道等との接続状況に応じまして、各地域のサービスエリア等で観光キャンペーンを展開するなど、圏央道利用による本県への観光客の増加に向けまして、積極的なPRに努めてまいります。

 (3) ビッグデータの活用について
山下
 次に、ビッグデータの活用についてであります。
 ICT(情報通信技術)の進化や携帯情報端末の普及により、これまでは把握が困難だった大量かつ多様なデータを迅速に収集し、これらを詳細に分析した上で、企業競争力の強化や顧客満足度の向上などに役立てる、いわゆるビッグデータ活用の取り組みが進んでいます。
 例えばコンビニ各社では、ポイントカードの利用等によって得られる個人消費のデータを詳細に分析することで、これまでのように経験や勘に頼るのではなく、膨大なデータをもとに、性別や年齢層、さらに購入の時期や場所までも絞り込んだピンポイントの商品開発や販売促進が行われています。
 ビッグデータは、こうした商業的利用にとどまらず、ライフサイエンスや地球環境保護、防災など幅広い分野での活用も期待されており、今月中の閣議決定が予定されている政府の規制改革実施計画にも、個人を特定できない加工をするなど、プライバシー保護に十分留意しながら、ビッグデータの活用を進めることが盛り込まれることとなっています。
 私は、本県でも、こうしたビッグデータを観光振興に積極的に活用すべきと考えます。
 例えば、多くの自動車に搭載されているETCのデータを用いれば、本県を訪れる観光客が利用した有料道路区間が把握でき、このデータをもとに、観光客が多い地域周辺での集中的なキャンペーンが行えます。
 さらに、ファミリーレストランなどでの注文データを重ね合わせれば、観光客は何人くらいで本県を訪れたのか、また、どの年齢層が多かったのかといった情報も把握することができ、きめの細かい働きかけが可能となります。
 そこで、こうしたビッグデータの観光面での活用について、今後、どのように取り組まれるのか御所見を伺います。
観光部長 次に、ビッグデータの活用についてでございます。
 宿泊や移動手段の情報を初め、店舗での購買情報等の膨大なデータから、観光客の行動や傾向等を分析し、観光面での活用を図っていく仕組みづくりは、今後、新たな施策の立案等に向けて、非常に重要な課題であると認識いたしております。
 既に、国の研究機関等におきましては、同意を得た観光客から、携帯端末を利用いたしまして位置情報を収集し、行動パターンを解析する等の研究も進められております。
 県におきましては、引き続き、国や大学等の専門機関、民間事業者の先進的な取り組み等の把握に努めるとともに、観光面でのビッグデータの活用を研究してまいりたいと考えております。

 (4) インドネシア共和国からの観光客への対応について
山下
 次に、インドネシア共和国からの観光客への対応についてであります。
 去る四月十四日、全国の自治体に先駆け、本県とガルーダ・インドネシア航空の関係者の出席のもと、我が国とインドネシア共和国が双方向の観光客を増加させる提携に関する共同記者会見が行われるとともに、翌十五日にかけて、峡東エリアなど県内二つのルートにおいて、同共和国で人気の高いサイクリングツアーが開催されました。
 インドネシア共和国は、約二億四千万人と世界第四位の人口を有しており、また、近年の経済成長に伴い、訪日観光客が増加していることから、今回の提携により、本県を訪れる観光客数も大幅に増加するものと、大いに期待しております。
 一方、我が国では余りなじみのないインドネシア語などの言語や、ハラルフードと呼ばれるイスラムの教えにのっとった食べ物しか摂食できない食習慣など、我が国では知られていない部分も多く、本県が推進するおもてなしを実践するには、乗り越えなければならないハードルも幾つかあると思います。
 このうち言語に関しては、我が国を訪れる観光客の多くが使う五カ国語、すなわち、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語及びスペイン語は通訳も多く、また、民間企業が多言語コールセンター事業を実施していることから、意思疎通も比較的スムーズに行うことができますが、インドネシア語となると、通訳を探すのも一苦労であります。
 また、食習慣については、観光庁の前身の国土交通省観光事業課が平成二十年二月に、多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応マニュアルを作成し、留意点等を公表していますが、概略的な記載にとどまり、一層の理解を深めるためには、調理実習などの実践的な研修が必要だと思われます。
 そこで、増加が見込まれる同共和国からの観光客に喜んでいただけるよう、おもてなしの前提となる言語や文化の相互理解の促進に、どのように取り組まれるのか伺います。
 とりわけ、外国人観光客にじかに接し、心証に大きな影響を及ぼす旅館やホテルの従業員等の研修をどのように図っていくのか伺います。
観光部長 次に、インドネシア共和国からの観光客への対応についてでございます。
 県内の宿泊施設におきましては、今後、大幅な増加が見込まれるインドネシアを初めとしたイスラム圏からの観光客に対する受け入れ態勢の整備が必要というふうに考えております。
 そのため、本年度、新たにインドネシア人の国際交流員を採用するとともに、県内のホテル、旅館の経営者や従業員等の観光事業者を対象に、イスラム教に精通した専門家による研修会を開催しております。
 研修では、宗教上の教えに対する理解を深めるとともに、基礎的な会話を初め、食習慣や生活様式に対応できる接遇方法等、実践的な内容を習得することとしており、観光客のニーズに合った受け入れ環境の向上に積極的に努めてまいります。
 以上でございます。

 2. TPPの交渉参加の前提となる農業・農村の活性化について
山下
 次に、TPPの交渉参加の前提となる農業・農村の活性化について伺います。
 去る三月十五日、安倍総理大臣からTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の交渉参加の意思表明がなされ、参加十一カ国との事前協議を経て、四月二十日に合流が承認され、七月から交渉に参加することとなりました。
 資源が少ない我が国が、現在と同じような経済的繁栄を続けるには、関税障壁の撤廃など自由貿易体制を維持・発展させることが不可欠であり、このためには、TPPはもとより、ASEAN十カ国に加え、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドの六カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)や日中韓FTAなど、さまざまな経済連携協定の検討を進める必要があります。
 そして、こうした経済連携協定を検討する際に最も大切なことは、協定締結のメリットとデメリットを冷静に分析するとともに、守らなければならない国益は死守するという強い意思を堅持することだと思います。
 TPPの交渉参加の検討に際しては、全関税を撤廃した場合の経済効果について、実質国内総生産(GDP)が三兆二千億円(〇・六六%)増加することや、国内生産額十億円以上かつ関税率一〇%以上の三十三品目の農林水産物の生産額が三兆円減少することなどが、政府統一試算として公表されました。
 また、米や麦等の重要五品目の関税維持や国民皆保険制度の存続など、我が国の聖域を確保することや、食の安全・安心の基準を守ることなど、六つの判断基準、すなわち厳守すべき国益も示されました。
 特に農業・農村に関しては、安倍総理大臣から、最も大切な国益として、息をのむほど美しい田園風景や、みんなで助け合う農村文化が挙げられ、これらを断固として守り抜くという強い意思も表明されました。
 しかし、県内の水稲や酪農を経営する農家の間には、TPPにより、安価な外国産農産物の輸入量が急増し、壊滅的な打撃を受けるのではとの懸念も根強く残っています。
 こうした懸念を払拭するためには、国の試算結果を踏まえ、TPPが県内農業に与える影響について、より詳細な分析を行うとともに、国の試算に含まれていない本県の主要農産物である桃、ブドウ、スモモなどについて、県独自の推計を行うべきと考えます。
 特に、国の試算に含まれない本県の主要農産物にかかわる影響額の試算については、農家に与える影響も大きく、正確かつ詳細な分析が必要であることから、専門的な知見を有する民間の調査機関に委託し、調査結果を迅速に公表すべきと考えますが、御所見を伺います。
 また、国は、農林水産業の競争力を高め、輸出の拡大により成長産業とするため、農林水産省に攻めの農林水産業推進本部を設置し、百八十四の先進事例の全国展開に向けた施策の具体化等が行われてきました。
 去る五月二十一日には、成長戦略の第二弾として、これらの取り組みをさらに加速できるよう、安倍総理大臣を本部長とする創造本部が設置され、年内を目途に(仮称)農林水産業・地域の活力創造プランが取りまとめられることになりました。
 県としても、こうした国の方針に呼応し、農林水産業の輸出拡大に向け、意欲ある農家への農地の集積や、食品産業など異業種との結合による高付加価値化などに積極的に取り組むべきと考えますが、御所見を伺います。
 横内知事 次に、TPPの交渉参加の前提となる農業・農村の活性化についての御質問でございます。
 第一の御質問のTPP協定の影響試算についてであります。先般、国は条件として、即時にすべて関税が撤廃されて、それに対して国内対策が行われないという仮定に基づきまして計算いたしまして、影響試算額を公表したところでありますが、これは全国一本のデータに基づく国単位の試算方法を用いたものでございまして、都道府県別の同様の試算は困難だという見解が示されております。
 また、本県農業への影響額を試算することにつきましては、現時点では交渉の内容が不明確であるということや、主要農産物である果樹は、他品目との競合関係など把握困難な要素が多く、試算数値の振れ幅が大きくなるものと想定されるので、有意な試算結果を得ることは難しいというように考えているところであります。

3. ジェトロ山梨との連携による海外展開や輸出の促進について
 (1) ジェトロと連携した本県の企業の海外展開について
山下
 次に、ジェトロ山梨との連携による海外展開や輸出の促進について伺います。
 まず、ジェトロと連携した本県の企業の海外展開についてであります。
 去る四月一日に、農産物や食品、機械部品などの輸出や販売店・生産拠点の設置に関する相談、欧米、中国、東南アジアを初め、希望する海外地域の最新情報の提供を行うジェトロ山梨貿易情報センターが、アイメッセ山梨の一角に設置されました。
 ジェトロは、日本貿易振興機構法第三条に規定されているように、我が国の貿易の振興に関する事業を総合的かつ効率的に実施するとともに、アジア地域等の経済及びこれに関連する諸事情について基礎的かつ総合的な調査研究を行い、その成果の普及により、これらの地域との貿易の拡大及び経済協力の促進に寄与することを目的として設置された独立行政法人で、海外五十五カ国に七十三の事務所を擁しており、海外展開や輸出拡大には欠くことのできない専門家集団です。
 ジェトロ山梨貿易情報センターが、開所から間もないにもかかわらず、世界の二十四の国や地域の貿易振興機関の代表が一堂に集まるアジア貿易振興フォーラムの事務レベル会議を、本年十月に本県で開催することが内定していますが、この会議は、本県のおいしい農産物や高い産業技術等をアピールする絶好の機会になると思います。
 そこで、このようなジェトロの世界中へのネットワークを生かし、ジェトロと連携する中で、どのように本県の企業の海外展開を図っていくのか御所見を伺います。
横内知事 次に、ジェトロと連携した本県の企業の海外展開についての御質問がございました。
 ジェトロ山梨が設置されたことによりまして、そのネットワークを活用して、海外展開に必要な質の高い現地情報をタイムリーに得られるということと同時に、県内の商談会に海外バイヤーを招聘することによりまして、海外に出向くことが難しい県内中小企業に、海外ビジネスをする道を開くことが可能になるわけであります。
 また、県内中小企業が海外展示会に出展する場合に、ジェトロブースを格安で活用できるというようなことを初め、その企業に適した展示会の選定から、海外の現地職員による出展や商談に関するサポートまで、一貫した支援が受けられることになります。
 こうしたジェトロ山梨の設置効果が最大限に生かされるように、経済団体とともに設置いたしましたジェトロ山梨振興協議会を通じて、産業界の意向や要望がジェトロの事業に反映されるように働きかけまして、本県企業の海外への販路拡大、海外展開を効果的に推進していきたいと考えております。

 (2) ジェトロを活用した本県農産物の輸出拡大について
山下
 次に、ジェトロを活用した本県農産物の輸出拡大についてであります。
 ジェトロのトップページを見ると、国・地域別情報の下に産業別情報が掲載されていますが、その筆頭は農林水産物・食品となっています。
 今から三年前の二〇一〇(平成二十二)年三月、ジェトロは、「わが国農林水産物・食品の輸出拡大に向けての阻害要因と対応策」と題するレポートで、台湾、韓国、カナダ、アラブ首長国連邦を例にとり、輸出時に直面する課題やこれへの対応策を取りまとめました。
 特に、台湾については、桃、ブドウ、ワインなど十一の品目について、台湾産や海外産と、価格や食味、シーズン(出荷期)について詳細に分析しています。
 例えば、ブドウについては、「台湾産の巨峰は品質的にも評価が高く、日本産ブドウには品質的にも優位性がない。さらに日本産生鮮ブドウは、シーズンが重なる台湾産やアメリカ産と比べて価格が四倍から十倍近く割高になっている」と課題を明らかにした上で、端境期の十二月から一月にかけて、日本からの輸出量を増加させる余地があり、日本産のブドウは、他の外国産に比べ知名度が低いことから、認知度向上を目指した取り組みが必要であると分析しています。
 こうした豊富な情報や専門的知見を有するジェトロを活用し、本県が誇る高品質な農産物の輸出拡大を積極的に図るべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。
横内知事 次に、第二の御質問の県産農産物の輸出拡大に向けた取り組みについての御質問であります。
 県では、高収益な農業を実現していくために、やまなし農業ルネサンス大綱に基づきまして、輸出を含む県産農産物の販路拡大対策を初め、多様な担い手の確保、農地集積の促進などに取り組んでいるところであります。
 現在、国におきまして、御指摘のように、農林水産業・地域の活力創造本部が設置されまして、このもとで、国産農産物の輸出拡大や異業種連携による農業強化策について検討がなされているところでありまして、今後、この検討状況を注視して、国の施策の活用を図りながら、さらなる農地集積や食品産業と連携した六次産業化の推進など、本県農業の競争力、体質強化に向けた取り組みを積極的に進めまして、輸出拡大にもつなげてまいりたいと考えております。
農政部長 山下議員のジェトロを活用した本県農産物の輸出拡大についての御質問に御回答申し上げます。
 海外の主要なマーケットに駐在拠点を持ち、市場動向等の調査・分析を行っているジェトロとの連携は、本県農産物の輸出拡大に大変有用であると考えており、これまでも、職員の派遣、ジェトロ駐在員を講師に招いたセミナーの開催、ジェトロ主導による海外食品展示会への参加などに取り組んできたところでございます。
 今般、ジェトロ山梨が開設されたことによりまして、本県農産物の魅力や産地の実情の理解を深めていただいた上で、本県に適した輸出促進のあり方について、さらに有益な示唆がいただけるものと期待しているところでございまして、今後ともジェトロと日常的に情報を共有し、なお一層、連携しながら、高品質な本県農産物の輸出拡大を図ってまいる考えでございます。
 以上でございます。

4. 県版社会保障制度見直しの進め方について
山下
 最後に、県版社会保障制度見直しの進め方について伺います。
 去る五月二十四日に、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案を初めとする社会保障・税番号制度関連四法案が参議院本会議で可決し、成立いたしました。
 この個人番号制度は、年金、労働、福祉、医療などの社会保障分野はもとより、税や災害対策など幅広い分野での活用が期待されており、二〇一六(平成二十八)年一月の利用開始に向け、鋭意、検討が進められていくことになりました。
 制度導入後には、医療、介護、保育などの制度単位ではなく、家計全体をトータルに捉えて、自己負担の合計額に上限を設定する総合合算制度の導入が検討されており、これにより低所得者の負担軽減が図られ、所得の再分配機能が強化されることとなります。
 厚生労働省の試算によれば、個人番号制度の導入にあわせて実施される国民健康保険の情報システムだけをとっても、改修費は、人口十万人以内の市町村で五百万円から二千万円程度、十万人超五十万人以内では一千五百万円から七千万円程度と極めて高額で、システム改修の困難さがうかがわれます。
 一方、県では、二〇一四(平成二十六)年十一月の導入に向け、重度心身障害者医療費助成の自動還付方式への移行について検討中であり、去る四月十六日に公表されたチャレンジミッションでは、本年度、自動還付方式周知のための説明会の開催などに加え、新制度に対応した医療費集計システムの構築や無利子貸し付けの制度設計などを行うこととなっています。
 そこで、本県で計画している医療費集計システムの構築には、どのくらいの初期費用及び運用経費が見込まれるのか伺います。
 また、総合合算制度が導入されれば、県単独の医療費助成制度は見直しをせざるを得ませんが、一度構築した医療費集計システムをさらに改修するなど、結果的に多額の経費を投入することにもなりますので、構築経費の抑制に向けて、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
横内知事 最後に、県版社会保障制度見直しの進め方についてという御質問であります。
 重度心身障害者医療費助成事業に導入する自動還付方式の核となります国保連の医療費集計支払いシステムの構築には、約一億八百万円を要する見込みであります。
 一方、市町村や医療機関のシステム改修費については、検討すべき点が残されているために、現在使われているシステムの実態を正確に把握して、改修の詳細を今、精査しているところであります。
 また、毎年の運用経費について、現状の窓口無料方式では、いわゆるペナルティーの補填と国保連への手数料で、県、市町村合わせまして九億円以上を要しているわけでありますが、自動還付方式へ移行いたしますと、医療機関や国保連へ支払う手数料、新たに生ずる業務に係る人件費等を合わせましても、三億円台に抑えられるのではないかと考えております。
 次に、構築経費の抑制に向けた取り組みについてという御質問でございました。社会保障・税番号制度関連四法案は成立したわけでありますが、議員御指摘の総合合算制度につきましては、依然として国から具体的な内容や導入時期が示されておりませんので、今回の見直しがどのような影響を受けるのか、今の段階では明らかでございません。
 しかしながら、どのような状況になったといたしましても、構築経費は極力抑えることが必要でありますので、核となる国保連のシステムの機能を高めまして、できるだけ多くの処理を集中させることにより、市町村や医療機関のシステム改修を小規模に抑えるなど、経費の抑制に努めてまいりたいと考えております。
 以上をもって、私の答弁といたします。その他につきましては、担当部長からお答えをさせていただきます。
 


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